研究領域紹介エネルギー・環境領域

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  • 産業と環境の共生
 

エネルギー・環境領域 パンフレット

ゼロエミッション社会の実現に向けて

世界的な脱炭素の流れの中で、我が国も2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロとする「2050年カーボンニュートラル」を2020年10月に宣言しました。経済活動を犠牲にせずに温室効果ガスを大幅削減して、パリ協定の1.5℃目標を実現するためには非連続なイノベーションが必要不可欠です。このような社会課題の解決に資するため、エネルギー・環境領域では、再生可能エネルギーの大量導入、省エネルギー技術の促進、高効率なエネルギー貯蔵、資源の有効利用、環境リスクの評価・低減などの技術開発に取り組み、ゼロエミッション社会の実現を目指します。

 

重要戦略詳細

再生可能エネルギーの主力化に資する技術開発

我が国のエネルギー政策において、再生可能エネルギーは2040年に40~50%の割合を占める電源として位置付けられています。
この目標を適正に達成するために、産総研では新しい原理や構造に基づく太陽電池の研究開発、太陽光発電における発電コストの低減と信頼性の向上、風力発電の発電量向上と長寿命化、地熱の適正な利用を目指した技術などの開発を進めています。
また、再生可能エネルギー導入に伴って発生する電力系統の不安定化を防ぎ、安定的な電力供給を維持するための新しい技術にも取り組んでいます。

太陽光発電パネルと風力発電
ペロブスカイト太陽電池

エネルギーを変換・貯蔵・利用する技術の開発

エエネルギーの需要と供給の時間的・場所的な不一致を解消するため、高効率なエネルギー貯蔵技術が必要とされています。
産総研では、再生可能エネルギーなどを効率よく水素などの化学エネルギーに変換し、貯蔵・利用する技術を開発しています。
日々の生活を支えるための「利便性」「安全性」「環境性」「安定供給性」を考慮したエネルギーシステムの実現を目指し、移動体用途や住宅・定置用途の電源技術となる二次電池や燃料電池の研究開発を進めています。さらに、熱・電気・光・化学・機械エネルギーを効率的に利用する技術の開発にも取り組んでいます。

水素エネルギー利用システム
「Hydro Q-BiCシリーズ」
全固体電池

エネルギーや資源を安定供給する技術の開発

エネルギー資源の乏しいわが国においては、新たな資源開発とその利用により、エネルギーセキュリティを確保することが求められています。
産総研では、非在来型資源であるメタンハイドレート資源の開発および有効利用に関する技術を開発しています。また、都市鉱山や廃プラスチックなど、使用済み製品の高度資源循環を実現するために、廃製品ごとの選別技術や回収技術にも取り組んでいます。

メタンハイドレート構造可視化観察
廃家電製品総合リサイクルシステム

持続可能な社会の構築に資するリスク評価・環境負荷低減技術

産総研では、産業と環境が共生する持続可能な社会の実現に向けて、新しい技術やシステムが社会に与える影響を評価し、リスクを軽減するための技術開発を行っています。
一部のPFASをはじめとする有害化学物質の環境分析法や環境負荷低減技術の開発に取り組んでいます。
また、環境・安全・持続可能性に関わる評価基盤を構築するために、グローバルサプライチェーンを通じた自然資源の利用に関わる影響評価を行っています。

環境負荷算定のための
インベントリデータベース「AIST-IDEA」
PFASをはじめとする有害物質の
測定方法の開発・標準化

研究ユニット紹介

電池技術研究部門

電池技術研究部門

蓄電池・燃料電池をはじめとするエネルギーを蓄え利用する技術の開発

経済と環境を両立するグリーン・イノベーションを推進し低炭素社会を実現するためには、エネルギーの効率的利用が可能な、安全性や環境性に優れた蓄エネルギー技術、電力とエネルギー媒体の変換技術が必要です。
このため、電池技術研究部門では、移動体用途や住宅・定置用途の電源技術となる二次電池や燃料電池等の電池技術開発を進めています。新しいプロダクトを生み出すもととなる新材料開発、プロセス開発およびそれらを支援する材料基礎技術などに取り組んでいます。

参画する技術研究組合

  • 技術研究組合FC-Cubic
  • 技術研究組合リチウムイオン電池材料評価研究センター(LIBTEC)

研究拠点/所在地

関西センター

〒563-8577 大阪府池田市緑丘1-8-31
TEL:072-751-9601/ FAX:072-789-1411

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省エネルギー研究部門

省エネルギー技術研究部門

エネルギーの高効率変換・高効率利用技術の開発

限りある資源の有効利用、気候変動問題への対応のため、脱炭素が世界の潮流となっている中、我が国ではグリーントランスフォーメーションの実現に向けたさまざまな取組が進められています。エネルギー需給構造の課題への対応、再生可能エネルギーを主とした脱炭素電源化とともに、一連のエネルギーフローにおけるあらゆるシーンでの省エネルギーの重要性はいささかも衰えません。省エネルギー技術研究部門では、一層の省エネルギーの実現に向け、熱・電気・光・化学・機械エネルギーの高効率変換技術および熱利用・電気化学分野等の革新的省エネルギー技術の研究開発を行っています。基礎研究から社会実装まで、また、基礎理論・材料開発からデバイス応用・システムまでの幅広いフェーズに取り組み、グリーントランスフォーメーションの推進を、当部門が技術の面から支えます。 

参画する技術研究組合

  • 自動車用内燃機関技術研究組合(AICE)

研究拠点/所在地

つくばセンター(中央、東)

〒305-8568 茨城県つくば市梅園1-1-1 中央事業所2群
TEL:029-861-5280

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安全科学研究部門

安全科学研究部門

産業と環境が共生する持続可能な社会の実現を支える評価技術の開発

安全科学研究部門では、評価技術の開発を中心として、安全で持続的発展可能な社会の実現に貢献することをミッションにしています。
リスク評価の対象は、現存する化学物質にとどまらず、今後の産業にとって重要なナノ材料などの新規材料や新技術も含まれます。安全な社会を支えるリスク評価研究として、産業と環境が共生する社会の実現に向けて、化学物質や材料、エネルギーを適切に利用することで環境リスクやフィジカルリスクを低減するための評価研究を実施しています。
また、技術の社会実装を支援する評価研究として、具体的な新技術・製品のライフサイクル全体での環境負荷(LCA)やリスクを評価することを通じて、産業のイノベーションやSDGs・ESG対応に貢献します。

参画する技術研究組合

  • 新構造材料技術研究組合(ISMA)
  • 人工光合成化学プロセス技術研究組合(ARPChem)

研究拠点/所在地

つくばセンター(西、中央、北)

〒305-8569 茨城県つくば市小野川16-1 つくば西
TEL:029-861-8452/ FAX:029-861-8422

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エネルギープロセス研究部門

エネルギープロセス研究部門

エネルギー資源を有効利用する技術の開発

温室効果ガスの大幅削減に向けた再生可能エネルギーの大幅な導入は喫緊の課題ですが、一方で、国産エネルギーの乏しい我が国では、エネルギーセキュリティの観点から新たなエネルギー資源の確保とその高効率利用技術も求められています。
エネルギープロセス研究部門では、これらの課題に対応するために、非在来型のエネルギー資源の高度有効利用にかかわる技術開発を行っています。特に、未利用エネルギー資源であるメタンハイドレートの商業生産に向けた技術開発や、メタンからのCO2フリー水素製造技術、CO2を化学品などに高効率転換するプロセス技術開発、あるいは水素貯蔵に関連する技術を推進し、国産エネルギーの夢の具現化と新たなエネルギー産業の創出に貢献していきます。

研究拠点/所在地

つくばセンター(西)

〒305-8569 茨城県つくば市小野川16-1 つくば西
TEL:029-861-8400/ FAX:029-861-8408

北海道センター

〒062-8517 札幌市豊平区月寒東2-17-2-1 北海道センター
TEL:011-857-8440/ FAX:011-857-8417

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環境創生研究部門

環境創生研究部門

産業活動と環境保全を両立する新たな環境創生技術の開発

産業活動と環境保全が両立する持続可能な社会の実現に向けて、新たな環境対策・環境創生の技術開発研究を展開しています。
特に、水問題が顕在化している地域での課題解決を目指して、各種水質評価項目の計測、水処理・制御などの水処理関連技術を研究するとともに、廃電子機器類などの使用済み製品の高度資源循環を実現するために、廃製品毎の選別技術や回収資源毎の製錬・素材回収技術の開発を推進しています。
また、これまでの環境計測にバイオ・ナノ技術を融合させた次世代環境診断技術や大気・海洋での炭素や各種化学物質の環境動態評価の研究にも取り組んでいます。

研究拠点/所在地

つくばセンター(西)

〒305-8569 茨城県つくば市小野川16-1 つくば西
TEL:029-861-8300/ FAX:029-861-8258

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先進パワーエレクトロニクス研究センター

先進パワーエレクトロニクス研究センター

ワイドギャップ半導体を用いた新規エレクトロニクスによる効率的な電力エネルギーハンドリング

家電や自動車、各種産業機器に使われるインバータで代表されるパワーエレクトロニクスは、電気エネルギーを制御するキー技術で、現在はシリコンパワー素子で成り立っていますが、性能に限界が見え始めています。
先進パワーエレクトロニクス研究センターでは、シリコンカーバイド(SiC)、窒化ガリウム(GaN)、ダイヤモンドなどのワイドギャップ半導体のウエハ技術からパワー素子の開発、さらにその素子性能を充分に生かせる回路・実装・制御からなるパワーエレクトロニクス統合化技術へと開発を進め、システムメリットからこの限界突破を目指すとともに、エネルギー制御のためのエレクトロニクス基盤構築を将来的な目標としています。

研究拠点/所在地

つくばセンター(中央、西)、関西センター

〒305-8569 つくば市小野川16-1 つくば西事業所

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再生可能エネルギー研究センター

再生可能エネルギー研究センター

再生可能エネルギー主力電源化の早期実現に向けた技術開発

わが国のエネルギー政策において、再生可能エネルギーは、経済的に自立し「脱炭素化」した主力電源化を目指す、と位置づけられました。これを実現するため、再生可能エネルギー研究センターでは以下の3つの研究開発課題に取り組んでいます。

  1. 主力電源化に向けた一層の性能向上とO&M技術開発
  2. 適正な導入拡大のための研究開発、データベース構築
  3. ゼロエミッション実現にむけた次世代エネルギーシステム技術開発

また、企業集積や人材育成による福島県等の東北被災県の復興に貢献していきます。

研究拠点/所在地

福島再生可能エネルギー研究所、つくばセンター(中央)

〒963-0298 福島県郡山市待池台2-2-9
TEL:024-963-1805

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ゼロエミッション国際共同研究センター

ゼロエミッション国際共同研究センター

ゼロエミッション社会を実現する革新的環境イノベーションの創出

2020年1月に設立されたゼロエミッション国際共同研究センター(Global Zero Emission Research Center, GZR)は、日本と世界の温室効果ガス削減を目指す政府の「革新的環境イノベーション戦略」の中で、最先端の研究開発を担う国内外の叡智を結集し、G20の研究者をつなぐプラットフォーム拠点として位置づけられています。GZRでは、エネルギーデバイス、水素エネルギーキャリア、カーボンリサイクル、技術評価等を組み合わせ、世界に先駆けた社会課題の解決と経済成長・産業競争力の強化に貢献するイノベーションの創出を目指した研究を進めています。

研究拠点/所在地

臨海副都心センター、つくばセンター(西、中央)

〒135-0064 東京都江東区青海 2-3-26
Eメールアドレス:gzr-info-ml*aist.go.jp(*を@に変更して使用してください。)

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エネルギー・環境領域

連絡先:エネルギー・環境領域 研究企画室

メール:envene-liaison-ml*aist.go.jp(*を@に変更して送信下さい。)
電話:029-862-6033

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