パロ、世界一、セラピー効果が高いロボット
\研究者にきいてみた!/
こんにちは! パロです
産総研から生まれたアザラシのロボットです。セラピー効果は世界一。大阪・関西万博では国際赤十字パビリオン*に出張し、たくさんの人に抱っこしてもらいました。
セラピー・ロボット、パロとは?生みの親の研究者・柴田崇徳さんにインタビューしました。
Q. セラピー・ロボットってなに?
「医療や福祉の現場で、心の癒しや精神的な支援を目的に開発されたロボットのことです。人工知能を備えたパロは、自律的に動き、名前や行動を学習します」
Q. パロはどんな場所で活動してるの?
「医療・介護・福祉などの現場で使われています。海外では医療機器として認定されているんですよ。脳に働きかけるセラピー・ロボットとしては、世界で唯一です。日本では介護テクノロジー重点分野『認知症生活支援・認知症ケア支援』の『選定機器』になりました」
Q. 医療機器ってことは、保険も適用されるの?
「はい。アメリカでは、痛みや不安、不眠などの治療にパロが処方されます。たとえば『抑うつに対して、パロを用いたバイオフィードバック治療を1回20分間、週3回、3か月間実施』といった具合です」
Q. 急性期医療でも活躍してるって?
「急性期老年病棟では『認知症』や『せん妄(痛みや不安による意識の混乱)』を起こす患者さんがいます。手術後にパロとふれあうことで、興奮や痛みが軽減する効果が臨床試験で示されました。せん妄には治療薬がなく、現在、世界各地でパロを使った臨床試験がはじまっています。日本の急性期病棟でも、看護師さんの負担軽減のためにパロが導入されています」
Q. 万博では、なぜ国際赤十字パビリオンで出展を?
「ウクライナの避難民や、東日本大震災、能登半島地震・豪雨の被災者に対し、パロを使った『心の支援』を行ってきました。その活動がご縁となり、赤十字からお声がけをいただきました」
パロは、いまも世界中の人々を癒しているんですね…!
産総研つくばの展示施設「AIST-Cube(アイストキューブ)」では、パロを常設展示中!(入場無料・要予約)
北海道センターや臨海副都心センターでも常設展示あり。そのほかの地域拠点でも、一般公開などで会えるかも…?
みなさん、パロに会いにきてね!
*: 国際赤十字の「赤十字ウィーク」(2025年5月4日~10日)[参照元へ戻る]