不気味の谷
\研究者にきいてみた!/
サルから人に変化するモーフィング動画をご覧ください。
モーフィングの途中で生じる違和感が、有名な「不気味の谷」現象。「人のように見えるけど、人じゃない」という矛盾が原因ともされています。(2023/5/19プレスリリース)
この不気味の谷、はたして人工知能でも再現されるのか。人間情報インタラクション研究部門 ニューロリハビリテーション研究グループの林 隆介 主任研究員に聞いてみました。
Q.人工知能でどんな検証を?
A.「人がどんな言葉で画像を評価しているのか」を学習したAIに、「モーフィング画像」を読みこませ、その評価結果を解析したのです。
すると、「不気味の谷」を学習したわけではないAIが、「不気味さ」や「違和感」に関連する言葉で評価することがわかりました。
Q.人工知能が不気味の谷を「感じて」いるの?
A.残念ながら、そう簡単に結論づけることはできません。
でも、人のデータを学習した人工知能を使って感情評価の研究をすすめることで、知らないものを見たときに人の脳がどう反応し、どんな感情を抱くのかを解きあかすのに役だつと考えています。
脳の情報をサイバー空間で利用するための研究をひとつずつ進めている林さん。今後は、リアルな感情を伝え相手の感情も理解できるアバター開発を実現したいそう。
職場の「1on1ミーティング」の相手が(不気味の谷を超えて親近感ある)アバター上司になる未来も遠くないかもしれませんね。