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海洋地質図作成の現場【産総研公式X】

2022/06/09

COLUMN

海洋地質図作成の現場

\研究者にきいてみた!/

  • #国土強靭化・防災

6月9日は「ロックの日」

 産総研では、Rock(揺する)ではなくRock(岩)の日です!地上のみならず日本列島を囲む海の底も岩だらけ。でも、海底の様子をのぞくことは難しいですよね?

 そんな未知の世界を「音」を使って描き出し、海洋地質図を作成している地質情報研究部門に話を聞きました。

海上での調査の様子

 船に乗っていたのは、深海調査の主役を張る無人潜水機、“AISTs”(あいすつー)です。

 深海6000 mまで潜れるスグレモノ。目的の場所まで船で運び、海の中に潜らせ曳航して情報を集めます。機体の底と横から音波を出して、海底の岩盤にあたって反射した音波をキャッチして計測する仕組みです。

無人潜水機、“AISTs”
AISTsの内部

 音波の情報を使ってどのように海底を描きだしているのでしょうか。海底にあたって跳ね返った音波を分析すると波のような図が現れます。波の境界線が海底面の凹凸を示しています。なんだか水墨画みたいにも見えてきますね。

 でも、海洋地質図を作るための情報はこれだけではありません。

海洋地質図

 船乗りのような貫禄漂う研究者…ではなく、手前の大きなバケツ型の装置にご注目!これは、円筒ドレッジ。海底面をひっかいて岩石を集め、海底の地質を調べます。

 さまざまな装置による調査の結晶が、海洋地質図。沖縄や相模湾の海底も地質図ナビからチェックできますよ!

実際に使用した円筒ドレッジ
現場での円筒ドレッジの様子

 完成した海洋地質図は2種類。海底に堆積する地質を示す表層堆積図と海底の地形を詳細に表す海底地質図。

 見えない海底を想像しながら、今日も研究者は船に乗り込み調査をつづけます。

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