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日光白根及び三岳火山地質図【産総研公式X】

2022/10/03

COLUMN

日光白根及び三岳火山地質図

\研究者にきいてみた!/

  • #国土強靭化・防災

10月3日は登山の日。

 災害計画や街づくりでも活用される地質図。地質図が作られる過程では道なき道を進む山での調査も行われます。ということで、今回は先月「日光白根及び三岳火山地質図」を発表した(2022/09/08プレスリリース)活断層・火山研究部門 火山活動研究グループの草野 有紀主任研究員に地質図調査の様子を聞いてみました!

草野主任研究員

Q. 日光白根火山はどんな山?

A. ふもとには湯元温泉や戦場ヶ原、竜頭の滝など多くの観光客が訪れる日本有数の観光地があります。関東地方最高峰(2578 m)の山で標高が高いために徒歩では調査がしにくいといわれてきました。地質図作りでは登山道ではない道も含めて調査が行われます。

調査で歩く山の様子
調査のための登山グッズ

Q. すごく大変そう…山ではどんな調査をするの?

A. 地層から歴史を調べるため火山灰や岩石を採取します。川沿いなど地面が削れて地層が表に出ている場合もありますが、必ずしも調べたい場所にあるとは限りません。そんな時は、平らな場所を探して深さ2mの穴を掘り地層を観察します。

火山を覆う土壌を削り採取
地層の様子が罹れたメモ帳

Q. そんなに大きな穴を!体力勝負ですね!

A. そうですね、日光白根山の場合だと目的地まで最低1時間歩きます。そこから採取できそうな場所を探し、1時間かけて穴を掘り、その後記録をして、土を穴に戻します。日が暮れる前に降りないといけないので、下山は急ぎ足です(笑)

実際に採取した岩石

Q. 研究の魅力を教えてください!

A. 地質図作りはパズルに似ています。膨大なピースを集めてひとつずつ辻妻が会うように地層の歴史を当てはめていきます。ひとつの物語を作るような面白さがありますね。好きな作業は、火山岩を顕微鏡で観察すること!キラキラしていてきれいなんですよ!

火山岩の薄片を顕微鏡で撮影した様子

 草野さんが約5年にわたる地道な調査を積み重ねて完成した地質図には、地質や火山の歴史がわかる解説付き。日光白根山にお立ち寄りの際は観光のお供にお持ちいただくと地面の中まで楽しめる一味違う日光を体験できるかもしれません。地質図Naviならスマホからも見れますよ。

地質図を読む草野主任研究員

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