国立研究開発法人情報通信研究機構(
NICT、理事長: 徳田 英幸)と国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研、理事長: 石村 和彦)は共同で、B5G/6G時代に必要となる
計量標準*1および
較正*2技術などに関するロードマップを公開しました。我が国の国内最上位の計量標準を開発・維持・管理・供給する産総研と無線免許に必要な測定器の国内最上位の
較正サービス*3を実施するNICTの技術開発およびサービス開始のスケジュールを示すことで、
テラヘルツ帯*4(100 GHz~)を含む電波を使ったB5G/6G無線機の免許開始時期を踏まえた現実的な開発・普及計画の策定が可能となります。
図 発行したロードマップ
B5G/6Gの実現には、無線機の研究開発だけではなく、無線機の性能を担保するために、我が国の計量標準に基づいた測定によって必要とされる無線機の性能を満足していることを証明する必要があります。このため、我が国では無線局免許を交付する際に無線機の性能を検査することを義務付けており、その検査に使う測定装置も適切に較正されている必要があります。NICTでは、無線局免許申請に必要なデータを取得するための測定装置に対して、電波法に基づく国内最上位の較正サービスを実施しています。測定装置の較正では、我が国の計量法の最上位機関である産総研で開発・維持・運用されている標準器など(※)を用いており、国際単位系(SI)にひも付けられた国際的に相互比較可能な校正を可能としています。
しかし、B5G/6Gでの利用が検討されているテラヘルツ帯(100 GHz~)の一部の周波数帯(330 GHz~)では、標準器や較正技術がまだ整備されていません。したがって、現時点では、330 GHzを超える周波数帯の電波を利用した無線通信システムを運用するための無線局の検査が困難な状況となっています。この他にも多くの産業ニーズがあり、B5G/6Gの実現に向けて、テラヘルツ帯の計量標準、較正技術および計測技術の確立が急務となっています。
※周波数についてはNICTも産総研と同等の国内最上位計量標準機関として、校正に必要な標準器を開発・維持・運用しています。
NICTと産総研では、B5G/6Gの実現に必要な計量標準および較正技術などのロードマップをまとめ、公開しました。
例えば、無線機の試験に必要な周波数計や電力計、スペクトラムアナライザの較正技術と較正に必要な標準器の研究開発について、周波数1.1 THzまで計画を立てました。いつ無線免許の申請が可能になるかを示すと同時に、無線機の開発・普及計画を検討する際のマイルストーンとして活用いただけるよう、線表としてまとめています。ロードマップは、パンフレットとして頒布されるほか、NICTと産総研のWebサイトからダウンロードが可能です。
NICT https://rri.nict.go.jp/#download
産総研 https://unit.aist.go.jp/nmij/news/2024/pdf/20240520.pdf
NICTと産総研は、B5G/6Gを実現するための計測基盤技術として、計量標準および較正技術などの研究開発を進めていきます。
国立研究開発法人 産業技術総合研究所
ブランディング・広報部 報道室
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