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海洋地球研究船「みらい」【産総研公式X】

2022/09/14

COLUMN

海洋地球研究船「みらい」

\研究者にきいてみた!/

  • #エネルギー環境制約対応

産総研公式ちゃん「かがくチップス」に登場した底生生物の研究者、地質情報研究部門 地球変動史研究グループの清家 弘治主任研究員(かがくチップス「地球の歴史をひもとく鍵~海底を埋めつくす巣穴たち~」)。沿岸だけでなく、海洋地球研究船「みらい」に乗って北極圏を航海してきたそうです。帰港直後の清家さんに、約2か月にわたる海の上での研究活動はどんなものだったのか…聞いてみました!

海洋地球研究船「みらい」
清家研究員
北極に浮かぶ海氷

Q. 北極でどんな調査をしているの?

A. 北極海の海底にどんな生き物がいて、どのように暮らしているのか調べています。

 北極は地球上で温暖化の影響をもっとも受けている地域。海底調査が、温暖化の影響を正しく理解することにつながるのです。

海底の泥を柱状に採取するアシュラ採泥器
アシュラ採泥器の中のヨコエビ

 調査の目玉は、北極の海底をまるごと採取すること!

 「ボックスコアラー」という装置を海に下ろすと…約40 cm四方の海底の泥をそのまま採取できるのです。採取した“ミニ海底”は、大事に保管して、産総研まで運びます。研究室でCTスキャンにかけて、海底のありのままの様子を調べる予定です。

海底を採取する「ボックスコアラ―」
ボックスコアラ―を海底に下ろしている様子
海上ではジャケットを装着している

Q. 1日のスケジュールはどんな感じ?

A. 調査がある日は朝6時に起床!食事の時間を除き、17時までノンストップで海底の採泥作業を行います。

 夕食後も“ミニ海底”を産総研へ持ち帰るため梱包したり、別途採取した泥をふるいにかけて生物を採集したりします。時には21時までかかことも。大忙しです!

採取したクモヒトデ
生物を採取するために泥をふるっている様子
海上での1日のスケジュール

Q. 調査を行わない時間は、何をして過ごしていますか?

A. 家族と衛星電話をしたり、船内放送を見て過ごしています。部屋にはTVや冷蔵庫、机など必要な設備が備えられているので、とても快適です。

 食事も楽しみのひとつ。ある日の昼食はちゃんぽんです。ボリュームたっぷりで研究の活力になります。

船内の清家さんの居室
ある日の昼食

 北極海上の気温は、昼でも0度までしか上がらないそう。

 寒いなか船上での調査は大変そうですが、「常に大好きな海に囲まれているので、気分は爽快。採泥作業も頑張れます」と語ってくれました。

船から見た北極海の様子
オーロラ
北極海と清家研究員

清家さんの研究を追った動画は、YouTube「かがくチップス」で公開しています!

この動画では、茨城の海に潜る清家さんに密着。海洋生物学者である清家さんと地質学者が出会い、地層の謎を解き明かしていく…そんな研究の最前線をお楽しみください♪

海底で筒を打ち込む清家研究員

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