メタンハイドレート貯留層の環境微生物に関する研究
1.研究目的
新たな天然ガス資源として期待されているメタンハイドレートのうち、太平洋側の深海底地盤内に存在が確認されている砂層型メタンハイドレートでは、深海底地盤内に存在するメタンハイドレートをガスとして回収するために、海底下に井戸を掘削し、ポンプで水を汲み上げて、地盤間隙内の流体圧を下げることでメタンハイドレートをメタンガスと水に分解し、生産する減圧法の利用が有効とされている。しかしながら、減圧法を用いたガス生産中に坑内に砂が入りガス生産が困難となる、いわゆる出砂も確認されており、この出砂を如何に食い止めるかが喫緊の技術課題となっている。
2024年3月22日には経済産業省より「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」が公表され、砂層型メタンハイドレートの「生産技術の開発」に関する取組として、「生産挙動予測や可採量評価に係る技術の信頼性を向上させるための研究開発を実施する。」との記載が行われており、生産挙動予測と可採量評価の信頼性向上のためにも、生産を阻害する出砂対策技術への取組が必要になっている。その対策の一案として、微生物を用いた地層の固化処理技術[Microbially Induced Carbonate Precipitation (MICP)]の開発が進められている。これまでの研究では2012年及び2018年に実施した保圧コアサンプル(海底面下の圧力を維持したままサンプリングした試料)から、微生物固化に利用可能な微生物の単離に成功しており、原位置(深海底地盤環境)においても固化が期待できる微生物が存在していることが確認された。しかしながら、原位置における微生物の数や種類、その活性はほとんど評価されていない現状にあり、深海底下地盤内に生息する微生物の現場における生態をベースラインとして把握する必要が出てきている。そこで、微生物の評価に関する知見を有する外部機関への委託研究を行い、本研究に関する効率的な実施を図るものである。
2.研究概要
本研究では、砂層型メタンハイドレートの生産技術のうち、メタンハイドレート貯留層評価のために計画している圧力コアを取得する業務に関連し、貯留層内の環境微生物に関する生態ベースラインを把握する事を目的に、圧力コアの一部を用いて、微生物の数、種類、活性度等の評価を実施するものであり、公募によりその実施者を決定する。
3.応募方法
3-1.応募書類
応募者は本公募要領及び提案書様式に従い応募書類を作成し、公募期間の令和6年7月26日から令和6年8月26日(締め切り日の17時まで)までの間に、下記の提出先まで送付又は提出してください。
【応募に係る提出書類】
(1)提案書
(2)会社等経歴書(大学・研究機関にあっては、会社等経歴書の代わりとして、経歴の記載のあるパンフレット等でも差し支えありません。)
(3)財務諸表(直近の2年度分)
(4)研究経歴書(研究代表者分)
公募要領 【PDF:250KB】
提案書様式【Word:131KB】
3-2.提出方法
電子メールによる提出とする。
3-3.提出先
〒305-8560 茨城県つくば市梅園1-1-1
国立研究開発法人産業技術総合研究所 つくばセンター
企画本部 産学官契約部 公的研究契約一室 委託チーム
E-mail:M-koufu-itaku-ml●aist.go.jp(●を@に変更して送信下さい。)
4.その他
4-1.契約条項
契約条項は原則として変更いたしませんので、受託を希望される方は契約書雛形【PDF:631KB】を熟読したうえで応募してください。
4-2.暴力団排除の取り組み
受託を希望される方は暴力団排除に関する誓約事項【PDF:19KB】を承諾したうえで応募してください。
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