令和5年度国内石油天然ガスに係る地質調査・メタンハイドレートの研究開発等事業(メタンハイドレートの研究開発)「開発後の貯留層内でのCO2ハイドレート生成の実験的評価」
1.研究目的
日本周辺に多く賦存している天然メタンハイドレート資源は、CCSと組み合わせた発電や水素等へのエネルギーキャリアへの転換材料として位置づけられており、ブルー水素・ブルーアンモニアの原料としての利用を見据えその開発が重要である。天然メタンハイドレート資源のカーボンニュートラル化ためにはCCSによる排出CO2削減が急務であるが、CCSの実用化(低コスト化)に向けては、①CO2分離回収のコスト低減、②CO2貯留適地の調査/拡大、③排出源から貯留地までの長距離輸送、の3つの課題が挙げられており、CO2排出源から近いCO2貯留適地の拡大が必要である。一般的にCO2の地中貯留のためにはCO2の漏洩を防ぐ遮蔽層が必要であるが、圧入したCO2をCO2ハイドレートとして固定化することができれば遮蔽層がなくてもCO2の漏洩を防ぐことが十分可能である。また、CCS適地の条件の一つに良好な圧入性が求められているが、これまでの東部南海トラフでの天然メタンハイドレート堆積物圧力コアの実験結果から開発後の元メタンハイドレート貯留層は非常に高い浸透特性を持つことが予想され、CCS適地としての条件をクリアしている。ここでガスハイドレートには、ガスハイドレート分解水を用いると核形成するまでの時間が純水と比較して短くなるという「メモリー効果」と呼ばれる現象が報告されている。元メタンハイドレート貯留層にCO2を圧入しCO2ハイドレートを生成させる際に、メタンハイドレート分解水による「メモリー効果」が発現するのかどうか検討することで、フィールドでのCO2ハイドレートの生成挙動解明に繋がる。
2.研究概要
これまでの研究により、天然メタンハイドレート貯留層からの天然ガス生産の商業化に向けて技術的課題の抽出・新技術の開発の目処が立ってきた状態であるが、この数年の大きな気候変動に対する将来への懸念から、カーボンニュートラルを念頭に置いた資源開発が求められている。
本委託研究では、メタンハイドレート資源のエネルギーキャリアへの転換に伴う排出2の地中固定を目的としたCO2地中固定適地の拡大を目指し、開発後のメタンハイドレート貯留層でのCO2のガスハイドレート固定に向けた、ガスハイドレートの「メモリー効果」による結晶成長の可能性について実験的に明らかにする。
3.応募方法
3-1.応募書類
応募者は本公募要領及び提案書様式に従い応募書類を作成し、公募期間の2023年年5月30日から2023年6月30日(締め切り日の17時まで)までの間に、下記の提出先まで送付又は提出してください。
【応募に係る提出書類】
- 提案書
- 会社等経歴書
(大学・研究機関にあっては、会社等経歴書の代わりとして、経歴の記載のあるパンフレット等でも差し支えありません。)
- 財務諸表(直近の2年度分)
- 研究経歴書(研究代表者分)
- (様式1)安全保障貿易管理への対応状況
- (様式2)安全保障貿易管理の体制を構築することの誓約書(紙媒体・要 押印)
※安全保障貿易管理への対応状況が整備済でない場合が提出対象。
様式2のみ、押印版の紙媒体での提出とし、それ以外の提出物は電子メールによる提出とします。
紙媒体で提出は簡易書留でお願いいたします。
公募要領 【PDF:264KB】
提案書様式【Word:138KB】
3-2.提出先
〒305-8560 茨城県つくば市梅園1-1-1中央第1
国立研究開発法人産業技術総合研究所 つくばセンター
企画本部 産学官契約部 公的研究契約一室
pj-kuni-ml●aist.go.jp (●を@に変更して送信下さい。)
4.その他
4-1 契約条項
契約条項は原則として変更いたしませんので、受託を希望される方は契約書雛形【PDF:532 KB】を熟読したうえで応募してください。
4-2 暴力団排除の取り組み
受託を希望される方は暴力団排除に関する誓約事項【PDF:19KB】を承諾したうえで応募してください。
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