九十九里沖合の天然ガス湧出海域における海洋環境に関する研究
1.研究目的
千葉県を中心とする南関東の一帯には日本最大の水溶性天然ガス田である「南関東ガス田」が広く分布している。国産エネルギー資源への期待が高まる中で最近でも茨城県五浦沖の巨大油ガス田の痕跡や東京湾浦安沖の天然ガス層の発見が社会の耳目を集めている。このように資源として重要性が注目される一方で、天然ガスに由来する海洋生態系への影響や役割についてはほとんど分かっていない。海洋エネルギー資源の有効利用や沿岸海域の産業利用の持続可能性を考えた場合、対象となる海域の生態系構造や物質循環プロセスを詳細に把握することが不可欠である。 当該研究では、九十九里周辺海域を対象として天然ガスの自然湧出あるいは将来の人為的な開発によって潜在的に生じる沿岸生態系へ影響評価を主目的とし、さらに同海域の高い生産性に対する天然ガス湧出の潜在的な効果について検討を行うものである。
2.研究概要
九十九里の海岸では天然ガスの湧出地点が多数存在することが知られており、地質構造的にはその沖合の海底においても湧出点の存在が強く示唆される。本研究では、特に沖合の天然ガス湧出に着目し、湧出地点の特定やその周辺の水質及び底質の状況を把握するための調査方法を確立するために、情報の収集とその整理・統合、具体的な観測手法の検討を行うものである。
・発表論文等の既存知見の調査と、産総研が指定する専門家、漁業関係者等に聞き取りを行い、適切な調査実施海域(範囲)を選定する。
・海上作業に求められる各種許可・申請、地元漁協等との調整・説明、傭船など調査実施の事前調整を行う。
・産総研所有の音響探査機器を用いて、海域の湧出天然ガスの探査手法の検討、高度化を行う。
・産総研所有のROV(無人潜水機)を用いて湧出ガスの直接観測と湧出点直近の海水のサンプリング手法を検討する。
・上記に併せて従来の海洋観測手法に準じた採水・採泥作業と試料分析等を行い、対象海域における一般的な海洋環境把握を行う。
3.応募方法
3-1.応募書類
応募者は本公募要領及び提案書様式に従い応募書類を作成し、公募期間の令和2年10月6日から令和2年11月4日(締め切り日の17時まで)までの間に、下記の提出先まで送付又は提出してください(電子メール又はファクシミリによる提出は受け付けません。)。
なお、応募書類は次の資料としてください。
- 提案書受理票 1部
- 提案書 2部(正1部、写1部)
- 会社等経歴書 2部
(大学・研究機関にあっては、会社等経歴書の代わりとして、経歴の記載のあるパンフレット等でも差し支えありません。)
- 財務諸表 2部(直近の2年度分)
- 研究経歴書 2部(研究代表者分)
- 提案書の電子媒体 1部(MS-Word形式のテキスト文としてCD-ROMに保存)
公募要領 【PDF:254KB】
提案書様式 【Word:589KB】
3-2.提出先
〒305-8560 茨城県つくば市梅園1-1-1中央第1
国立研究開発法人産業技術総合研究所 つくばセンター
イノベーション推進本部 産学官契約部 受託研究契約室 委託チーム
4.担当の研究部門等
環境創成研究部門 環境生理生態研究グループ
鈴村 昌弘 (E-mail:m.suzumura●aist.go.jp) ※●は@に変更して送信ください
5.その他
5-1 契約条項
契約条項は原則として変更いたしませんので、受託を希望される方は契約書雛形【PDF:334KB】を熟読したうえで応募してください。
5-2 暴力団排除の取り組み
受託を希望される方は暴力団排除に関する誓約事項【PDF:19KB】を承諾したうえで応募してください。
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