沿革・活動
日本酒は、米と麹と水を主原料として日本特有の製法で醸造された酒で、地域ブランド酒の開発は多くの都道府県で取り組んでいる課題です。地域オリジナル酵母や酒米の開発,醸造法の開発などが行われていますが、その中で共通基盤的な課題については産技連を活用して長年取り組んできました。2013年12月に「和食;日本人の伝統的な食文化」が、2024年12月には「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録され、日本国内のみならず海外においても日本酒が大きく注目されています。また海外での需要の高まりは近年の輸出動向にもすでに顕れていますが、2025年の大阪・関西万博をはじめとした国際イベントを通じて海外輸出のさらなる促進が期待されているところです。
このような背景のもと、2019年7月に産技連の近畿地域部会・食品バイオ分科会のもとに近畿日本酒研究会が設置されました。これまでは、地域でのブランド力向上を目指して新しい酵母や生産プロセスの導入を検討しても、各機関間において先端のバイオ計測・分析装置での再現性のある計測・分析が行えなかったのですが、前身の近畿酒造機関連携WGや本研究会の活動を通して、生産プロセス管理指標となりえる分析データの比較および分析方法が確立しつつあり、各機関が合同で日本酒の生産技術の開発を行える下地が整いつつあります。以上のような取組みは産技連総会においても高く評価されていて、2019年度産技連総会において,前身WGは特に優れた連携活動を行ったものの一つとして感謝状が授与されました。
本研究会は日本酒の生産プロセス管理技術開発課題の指針を得ることを目標とし、日本酒がワインのごとく世界中で嗜好されるという地位を獲得することを大目標としています。これを実現するためには圧倒的に不足する高品位な日本酒の生産量を拡大する必要があり、経験とノウハウに依存してきた伝統的な日本酒生産を安定した工業生産プロセスに移行させることが不可欠であると考えています。2021年は分析技術の高度化に注力し、香気成分分析の機関間再現性を評価することで標準試料の供給体制を整備する必要性を示唆しました。2022年から2023年にかけては有機酸分析に関する機関間再現性の調査を進めてきました。また2023年より現地参加型の講演会活動を再開することで近畿・東海エリアを中心とした情報交流の場を提供しており、地域の技術開発、製品化・事業化支援等の機能強化、ならびに人的ネットワークの構築による連携活動の活性化を目指しています。
第5回講演会のお知らせ
開催概要
日時 |
2025年6月4日(水)15:00~16:40) |
場所 |
ウィンクあいち(愛知県産業労働センター)中会議室1201室 (アクセス案内)
〒450-0002 名古屋市中村区名駅4丁目4-38(JR名古屋駅桜通口から徒歩5分)
※本講演会はリアル会場のみの開催となります。オンライン配信は行いませんので、ご注意ください。 |
主催 |
産業技術連携推進会議 近畿地域部会 食品バイオ分科会 近畿日本酒研究会 |
共催 |
(国研)産業技術総合研究所 関西センター |
参加費 |
無料(交流会は会費5,000円(予定)) |
定員 |
60名 |
内容 |
〇講演会(講演2件(それぞれ講演40分+質疑応答5分))
(1)「高温障害米による麹への影響とその対策」および「最近の弊社の取り組み」
株式会社ビオック 常務取締役 竹内 良和 様
(2)酒米「さかほまれ」の消化性予測と消化性に応じた原料処理方法の検討
福井県食品加工研究所 食品産業支援研究グループ 主任研究員 橋本 直哉 様
※前後に5分程度で挨拶などを予定
〇交流会(17時過ぎから~19時半頃までの予定)参加費 5,000円/人(予定)
※場所は名古屋駅近くの予定。開催場所、参加費につきましては別途ご連絡させていただきます。 |
申込
方法 |
下記の申込フォームリンクよりお申し込みください。
申込フォーム ※申込締切:5月25日(日) |
問合せ |
近畿日本酒研究会事務局 斎藤
E-mail: toshi-saito@aist.go.jp |
お問い合せ先
近畿日本酒研究会事務局
産総研関西センター 齋藤 俊幸(近畿日本酒研究会会長)
〒563-8577 大阪府池田市緑丘1-8-31
email : toshi-saito*aist.go.jp (*を@に変えて送付してください)