SI接頭語の範囲拡張
\研究者にきいてみた!/
産総研公式Twitterで2022年下半期もっともバズった、SI接頭語の範囲拡張のニュース。
日本代表としてフランス・ベルサイユで国際度量衡総会に参加した計量標準総合センターの臼田 孝 総合センター長を突撃し、くわしく聞いてきました!
帰国した臼田さんが見せてくれたのは、オシャレな名札、そして日本代表として決議への賛否を示す「JAPON」のカード。国際度量衡総会の公用語はフランス語(と英語)。メートル法発祥の地であるフランスの存在感を感じます。
会場のようすはこんなかんじ。臼田さんは議長らと壇上で会議を進行しました。
会議は4日間の長丁場。いろんな単位が散りばめられたネクタイをつけ、気合いを入れてのぞんだそう。
Q.日本語の読み方ってどう決めたの?たとえば「quetta」は、なんで「クエッタ」ではなく「クエタ」なの?
A.なにせ31年ぶりのことなので決め方のルールもなくて、と臼田さん。
ラテン語などに知見のある大学の先生の助言や、さまざまな単位にかかわる国内関係者の意見を参考に検討したそう。日本語発音の「クエッタ」「クエタ」が海外の人にはどちらも同じ「クエタ」と聞こえてしまうという事情も。
Q.今回でアルファベットを使い切ってしまったみたいですが、次からはどうなるの?
A.現在は「メガ・キロ」のように接頭語を重ねてはいけないというルールがあるんですが、それを変更し、接頭語をふたつ重ねる案なども検討されてます。(まだまだ未定です)
計量標準総合センター長室に突撃インタビューしたこの企画。
「日常的に意識されることのない分野なので、このニュースをきっかけに、こんなふうに決まってるんだな、そんなことに取り組んでる人がいるんだなと思ってもらえたらうれしいですね」臼田さんがおだやかに話してくれました。
計量標準にちょっと興味が出てきたぞ、という方は産総研マガジンもぜひ見てくださいね。
計量トレーサビリティについての話、秒の再定義!光格子時計のはなし、企業と共同でLED照明の明るさの基準を開発したはなし などなど。
ほかにも、産総研のニコ生配信「世界計量記念日 計量標準の世界を覗いてみよう【産総研の研究者だけど質問ある?】」では、じっくり3時間弱をかけて、計量標準の研究現場を紹介します。
【こぼれ話】
世界各国とのやりとりもある臼田さんのデスク横には世界時計が。
日本JSTのほか、協定世界時UTC、中央ヨーロッパ標準時CET、北米東部標準時EST など。スマホでも調べられるけれど、ふとしたときに確認するにはやはり壁掛けの方が使い勝手がよくて…とのこと。