ファブリックスピーカー
\研究者にきいてみた!/
産総研が開発した「○○」が展示されていると聞いてやってきたのは、外苑前駅から徒歩4分に位置するTEPIA先端技術館!
まずはこちらの動画をご覧ください!一見、何の変哲もない布に見えますが…
夏の夜に川へ遊びに来たかのような音…固いスピーカーが隠れているのではありません。なんと、柔らかい布そのものから、音が流れてくるんです!
このように布で囲まれた空間に入ると、全方位から音が聞こえてきます。まさに自然に包まれているかのような不思議体験です。
この技術こそ産総研の開発した「ファブリックスピーカー」。
なんといっても特徴は布であること!スピーカーの機能をそのままに形を変えられる優れものなんです。
例えばこちらはストールの形をしたファブリックスピーカー。スピーカーでイメージされる“固い”や“重い”の常識が覆されます。
一体どのようにして、開発に至ったのでしょうか。センシングシステム研究センターの吉田 学副研究センター長に聞いてみました!
Q1.布とスピーカーを組み合わせるという発想が気になりました。開発のきっかけを教えてください!
A.元々は電圧の変化を布から読み取るセンサーを開発していました。(2019/06/10プレスリリース)
例えばセンサー入りの服を着用すると、脈や心電に異常があれば素早く警告音を流すことができます。患者にとって警告音の遅れは命取りです。センサーとスピーカーを一体にする、ここから開発が始まりました。
Q2.仕組みが不思議でしょうがないのですが・・・
A.秘密は布と布の間に挟まったフィルム。
通常スピーカーは電磁石の動きとともにコーンと呼ばれる振動板が音を鳴らす仕組みです。ファブリックスピーカーでは導電性の布が電極の代わり。布に音声の信号を流すことでフィルムが振動し音が鳴ります。
元々は救急を想定して作られたファブリックスピーカーですが、特徴をいかしてフェスなどエンタメの場でも活用されているそう!
産総研つくばセンターのサイエンススクエアでも体感できます。