- 温度依存性や長期安定性などに優れた超安定な精密抵抗器の開発
超安定な標準抵抗器、HRUシリーズ
成果
製品特徴
温度依存性や安定度などにおいて従来品を凌駕する特性を備えている上、サイズが小さい。そのため、従来の計測器の基準抵抗を本製品と入れ替えることで計測器の性能向上が可能。
- 従来品に比べて体積比で約1/20と小さく、可搬性に優れる他、恒温槽の小型化や台数削減が可能。
- 15 ℃以上の温度範囲で、0.05 µΩ/Ω以内で安定な特性は世界最高(下グラフ)。
- 製造直後から0.01 µΩ/Ωレベルの経年変化を示す個体もあり、驚異的な安定性。
開発した抵抗素子を組み込んだHRUシリーズ
温度が15 ℃変化しても抵抗値変化は0.05 µΩ/Ω以内
超高安定な金属箔抵抗器を開発
企業の紹介
アルファ・エレクトロニクス株式会社
(東京都千代田区)
実績と波及効果
その安定性の高さから、国内企業はもちろんのこと、海外の標準研究所や国際度量衡局BIPMに導入されていています。米国の標準研究所NISTのキッブルバランスシステム(質量標準)にも採用され、プランク定数の決定に貢献しました。
温度係数がとても小さいことから、恒温槽が不要になるなど、グリーン社会の実現にも貢献します。
高い測定技術で、世界最高のものづくり
産総研の声
開発課題と産総研の貢献
産総研の支援内容
開発課題
- アルファ・エレクトロニクス社は、温度係数が小さく安定性に優れた抵抗素子の作製技術を有しているが、素子の安定性はすでにハイエンドの計測器を用いても評価が困難な状況
- 製造条件をどのように調整すればより安定な抵抗器を作製できるのか検討が困難に
⇒ 最高の測定技術を有する産総研との共同開発へ
産総研の貢献(物理計測標準研究部門)
- 産総研 NMIJが供給する量子ホール効果を用いた抵抗標準は、変わることのない抵抗の基準
- 抵抗標準と液体ヘリウム温度で動作する極低温電流比較器ブリッジなどの精密測定技術を組み合わせ、0.001 µΩ/Ωオーダーの小さな抵抗値変化を観測可能
- 異なる製造条件による抵抗素子の特性の違いが明確化
- より優れた製造条件の最適化が可能に
⇒ 世界最高性能の安定な抵抗器の開発に成功
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