海水から国産肥料の原料を回収
\研究者にきいてみた!/
模擬海水からカリウムイオンだけを電極に吸着→脱離・濃縮する実験中。海水から回収したカリウムで国産肥料を生産するのが最終目標です。
電極の開発者、材料基盤研究部門 山口匡訓さんにくわしく聞きました!(2025/06/23プレスリリース)
いろんなものが混ざった中から特定の物質だけを選んで回収し、環境浄化や資源循環に役立てられるのがこの研究分野の魅力、と話す山口さん。
手に持っているのは「プルシアンブルー型錯体」の分子模型です。分子の網目にカリウムイオンがしっかり取り込まれてますね!
ビンの中身はすべてプルシアンブルー型錯体。含まれる金属イオンの種類や比率で吸着材としての性質や色が変化するそう。(虹色をコンプリートするのが山口さんの密かな目標だとか。)
これまでの研究で蓄積された多くの候補から、今回は中心金属がニッケルと鉄のNiHCFを選定しました!
海水中でNiHCFを塗った電極に電気を流すと、正極でカリウムの吸着、負極で脱離反応が起こります。ポイントは「水の電気分解電圧以下」で反応すること。水の分解にムダな電力を使わずにすむんです。
電極には網目状の金属を使い、表面積を増やして効率よく吸着できるようにしているそうです。
これまで肥料の原料は輸入に頼ってきましたが、国際情勢の影響で国産化が急務に。この技術なら、豊富に存在する海水から安定的にカリウムを生産できる可能性があります。
現在は実験室レベルですが、今後は実際の海水で大規模化も検討するそう。食の安全保障にも関わる山口さんの挑戦に注目です!