立体形状の3DSマーカー
\研究者にきいてみた!/
自動車部品などをつくる工作機械の加工精度を上げるには、部品の「位置」と「傾き」を正確に知る必要があります。
今までにない立体形状の「3DSマーカー」でこの位置測定分野に切り込んだのが製造技術研究部門 積層加工システム研究グループの栗田 恒雄研究グループ長(2022/06/21プレスリリース)。
まずはマーカーのしくみを動画でご覧ください!
Q.3DSマーカーのどこがスゴい?
A.短時間で高精度に測定できるところです。
従来は工作機械につけた「タッチプローブ」を使用。高精度ですが時間がかかり、多様な部品を少量ずつ作るスタイルには適しません。
3DSマーカーの測定はわずか数秒!今後増える「変種変量生産」スタイルに最適です。
①中央の四角い凹みがマーカー。加工対象物の固定器具などに掘り込みます。
②マーカーの上からライトをあてて影を作り、影の大きさ・形をカメラで読み取ります。
③そのデータをコンピュータ上で画像処理。マーカーの位置と姿勢(傾き)を瞬時に導き出します。
Q.よく見る「ARマーカー」との違いは?
A.カタチと精度が違います。
ARマーカーは平面で、位置測定精度は約1mm。精度が重要な工作機械の位置決めには使われません。
3DSマーカーは凹型の立体で、検出精度はARの100倍以上!自動車部品の切削加工に求められる精度をクリアしています。
実物の「影」を見ると、高精度に測定できる理由が感覚的に理解できました。動画でうまく伝えられたでしょうか…?
ちなみにマーカーの凹み形状は自由で、凹みを深くすれば高精度、浅くすると測定範囲が広がるそう。
今後は臨海副都心センターの模擬工場で実験を進めるとのこと。続報が楽しみです!