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立体形状の3DSマーカー【産総研公式X】

2022/07/11

COLUMN

立体形状の3DSマーカー

\研究者にきいてみた!/

    自動車部品などをつくる工作機械の加工精度を上げるには、部品の「位置」と「傾き」を正確に知る必要があります。

     今までにない立体形状の「3DSマーカー」でこの位置測定分野に切り込んだのが製造技術研究部門 積層加工システム研究グループの栗田 恒雄研究グループ長(2022/06/21プレスリリース)。

     まずはマーカーのしくみを動画でご覧ください!

    Q.3DSマーカーのどこがスゴい?

    A.短時間で高精度に測定できるところです。

     従来は工作機械につけた「タッチプローブ」を使用。高精度ですが時間がかかり、多様な部品を少量ずつ作るスタイルには適しません。

     3DSマーカーの測定はわずか数秒!今後増える「変種変量生産」スタイルに最適です。

     ①中央の四角い凹みがマーカー。加工対象物の固定器具などに掘り込みます。

    マーカー

     ②マーカーの上からライトをあてて影を作り、影の大きさ・形をカメラで読み取ります。

    カメラ

     ③そのデータをコンピュータ上で画像処理。マーカーの位置と姿勢(傾き)を瞬時に導き出します。

    コンピュータ上の画像

    Q.よく見る「ARマーカー」との違いは?

    A.カタチと精度が違います。

     ARマーカーは平面で、位置測定精度は約1mm。精度が重要な工作機械の位置決めには使われません。

     3DSマーカーは凹型の立体で、検出精度はARの100倍以上!自動車部品の切削加工に求められる精度をクリアしています。

    ARマーカーとの違い概要図

     実物の「影」を見ると、高精度に測定できる理由が感覚的に理解できました。動画でうまく伝えられたでしょうか…?

     ちなみにマーカーの凹み形状は自由で、凹みを深くすれば高精度、浅くすると測定範囲が広がるそう。

     今後は臨海副都心センターの模擬工場で実験を進めるとのこと。続報が楽しみです!

    笑顔の栗田研究グループ長

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