千葉県立柏の葉高等学校情報理数科2年生41名が2021年7月14日、授業の一環として産総研柏センターの見学に参加しました。
今年4月に1年生を対象に実施したアバターロボットを使った遠隔での見学体験をベースに、内容を膨らませたワークショップ形式での実施です。
(1年生対象の見学記事はこちら
https://www.aist.go.jp/kashiwa/ja/news/kashiwa-labotour20210422.html)
アバターロボット体験
柏センター社会イノベーション棟の3階受付前で廣島洋所長がお出迎え。
アバターロボット越しに、高校生に柏センターについてご紹介。
アバターロボットが自走でセキュリティエリアへと移動し、高校生は学校の教室にいながら施設内移動を感覚として体験することができたようです。
アンドロイドロボット体験
人間拡張研究センター生活機能ロボティクス研究チームのラボである生活計測室では、田中秀幸チーム長とアンドロイドロボットが待っていました。
「こんにちは」
田中チーム長の言葉に反応し、アンドロイドロボットがお辞儀をしたり、表情を浮かべながら話したりします。
「触った感じはどんなですか?」
「歩いたり走ったりするアンドロイドはいつ頃できるようになりますか」
モニター越しで会うアバターロボットについて、高校生から質問が飛びます。
研究者との対話
田中チーム長は、「歩いたり走ったりするアンドロイドロボットは既にあります。バク宙するロボットもあります」と世界のロボット研究分野の状況について話していました。
生活機能ロボティクス研究チームは医療や介護などの現場を支援するロボットの研究をしているため、歩いたり走ったりすることよりも、見た目が人間に似ていて、豊かな表情を作り出せることに意味があります。
実際にどのような場面で、どのように活用されているかについて説明していました。
ワークショップ
後半は、共創場デザイン研究チームの小島一浩チーム長とサービス価値拡張研究チームの渡辺健太郎主任研究員が、課題の作り方を通して技術と社会の接点を考えられるようになることを目的としたワークショップを実施しました。
高校生には研究者になりきってもらい、研究者の素朴な妄想「どのようなアンドロイド、アバターのある学校を実現したいか」を入口に、そもそも思考と「誰のためか」「社会をより良くできるか」「自分も楽しいか」とグループワークを重ねていきます。
最終課題はなんと宿題に。
高校生からは「プロジェクト作りの方法を学ぶことができたので今後の取り組みに活かしたい」という感想を得ることができました。
田中チーム長コメント
普段考えないようなことを、いつもとは違うやり方で集中的に考える、という作業、大変だったかと思います。
しかしこういう思考の訓練を繰り返すことで、今後直面する新たな課題に対して力強く、かつしなやかに対応できる基礎体力のようなものが身に付くと信じています。
今日の体験を今後の皆さんの活動に役立てていただければ嬉しいです。
渡辺主任研究員コメント
前回の1年生を対象とした見学に引き続き、大変楽しい機会でした。
自分の身近な環境を想定したディスカッションを通じて、新しい技術の意義や使い方をより深く考える機会になっていれば嬉しいです。
これから更に勉強して、ぜひ人に寄り添うような技術の作り手、使い手になっていっていただければと思います。
小島チーム長コメント
90分という短時間にアバターロボットによる見学体験、研究者との対話、課題づくりワークショップと盛りだくさんでしたが、柏の葉高校の先生方の学習支援もあり、体験デザイン通り進めることができました。
2学期からは、アプリ作りに取り組むということで、今回の課題づくりワークショップを、アプリのサービスデザインに活用してくれると嬉しいですね。
人間拡張研究センター
小島一浩研究チーム長(共創場デザイン研究チーム)
渡辺健太郎主任研究員(サービス価値拡張研究チーム)
田中秀幸研究チーム長(生活機能ロボティクス研究チーム)