IoTシステムの最先端技術展「MEMS SENSING& NETWORK SYSTEM 2023」が2023年2月1日~3日、東京ビッグサイトで開催され、産業技術総合研究所(産総研)人間拡張研究センターも出展し、社会実装に向けた技術シーズの情報を一般に公開しました。
田中秀幸研究チーム長 (撮影時のみマスクを外しています)
昨年の出展時、PDR(Pedestrian Dead Reckoning)という歩行者自律航法技術との融合により、マーカの見えない区間を補間しつつ、誤差の蓄積しない高精度測位に関する研究をしていると話していた田中秀幸研究チーム長(人間拡張研究センター 生活機能ロボティクス研究チーム)。
今年の展示会でも自身が首掛け型ウェアラブルデバイスを装着し、デモンストレーションを行っていました。
高精度マーカは、単眼カメラで3次元位置・姿勢(6自由度)を計測することができ、電力を使わずに計測できる平面型のARマーカです。
位置誤差は0.1%、姿勢誤差<0.5°と世界最高精度を誇ります。
「PDRを使いマーカの見えない区間を補間する」をわかりやすいように、モニタで見せてくれました。
ウェアラブルカメラを付けた田中さんが、高精度マーカの前を起点にブースの中を歩き始めると、移動ルートが赤いラインで現れました。
手の動きもカメラで認識することができるので、どのような作業をしているかもわかります。
高精度マーカは、あらゆるカメラで認識でき、通信のない環境でも、電力も使わずに認識することができるので、例えば工場のようなところでの屋内測位を低コストで行うなどの応用ができそうです。
現実世界に仮想的な座標空間を生成し、位置・姿勢情報によってリアルとサイバーをつなぐ接続点となる高精度マーカ。
計測や測位、ロボット、ARなど幅広い応用を実現します。
2023/2/2取材
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