MEMSセンシング&ネットワークシステム2025、NANO TECH2025などの展示会が2025年1月29~31日、東京ビッグサイトにて開催され、産総研からも多くの研究者が出展していました。
柏センターで勤務する研究者たちの展示の様子をご紹介します。
人間拡張研究センターのスマートセンシング研究チーム・ウェルビーイング研究チームのチーム長を担う武居さんに、今回のチームの研究テーマについて紹介いただきました。
人間拡張研究センターは、「人に寄り添い、人の能力を高める技術」の研究開発を行っています。
このチームは、人の身体や人の生活環境など、人間に関する色々なものを測りデータ化するためのセンサやデバイスの開発に取り組んでいます。
スマートセンシング研究チームの延島大樹さんは、人間の身体を測るセンサ類をロボットに応用しています。
薄くて密に作れる、安く作れる印刷ベースの圧力センサをロボットに搭載し、知能化する技術になります。
人の生活環境のデータを人知れず取得しようとすると、電池や電源という問題が生じます。
バッテリーが切れたら交換しなければならず、電源を交換する手間がハードルになります。
例えば人が常駐していないビルのメンテナンス管理などで電池が切れてしまったら、電池の交換にコストもかかります。
スマートセンシング研究チームの駒﨑友亮さんは、どんな状況でも安定して電気を供給できるデバイスとして、湿度変動電池を作りました。
ウェルビーイングデバイス研究チームの鈴木宗泰さんは、人間をターゲットとしたウェアラブルデバイスのための全個体電池を開発しています。
人の身体に取り付けるには、フレキシブルだったり、曲げられたり、軽かったりということが必要になります。
センサはフレキシブルだけど、電子回路やバッテリーが硬いということが、ウェアラブルデバイスではよくありますが、
鈴木さんが作っているのは、薄くて曲げられる電池です。
材料・化学領域やエレクトロニクス・製造領域などの多様な研究者を集めて、材料開発からアプリケーションまで、領域をまたいだ重点課題として取り組んでいます。
ちょうど鈴木さんが、企業の方たちに全個体電池について紹介していました。
私たちのチームは、人間を測る、測るための電源を供給することで、人間、環境、ロボットなどを豊かにするセンサ、デバイスを研究しています。
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