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2025/02/20

【HARC】社会実装に向けた技術シーズ紹介③ 湿度変動電池を大幅にパワーアップ
 人間拡張研究センター 駒﨑 友亮

MEMSセンシング&ネットワークシステム2025、NANO TECH2025などの展示会が2025年1月29~31日、東京ビッグサイトにて開催され、産総研からも多くの研究者が出展していました。柏センターで勤務する研究者たちの展示の様子をご紹介します。


武居淳研究チーム長が、「どんな状況でも安定して電気を供給できるデバイスとして開発した」と紹介したのが駒﨑さんの湿度変動電池です。

駒﨑友亮主任研究員



「MEMS SENSING& NETWORK SYSTEM 2022」のインタビュー時に、どこでも電池交換することなく配線がなくても大丈夫なIoTのセンサモジュールの電源として展開を考えていると話していた駒﨑さん。
https://www.aist.go.jp/kashiwa/ja/news/kashiwa-interview-komazakiyusuke2022.html


今回の装置は、従来比で68倍くらいの発電ができるまでパワーアップしています。
「頑張りました!」


湿度変動電池

ワイヤレスセンサの中にセンサと無線のICが入っています。
湿度変化で発電した電気を使って、このセンサや無線のICを動かして、10分に1回データを送ることが実現できました。
4か月以上ワイヤレスセンサの駆動に成功し、出力的にはかなり実用性が出てきたと思います。



今後の課題は、電池の寿命だと駒﨑さんは話します。
今はまだ電池の寿命が3,4か月くらいなので、実用的にはこの部分での研究が必要だと考えています。
電池の寿命が10年、20年持つように、開発していきます。
それくらいあれば、多様な場面で十分に活用いただけると思います。


説明中の駒﨑友亮さん


直近のプレスリリース:湿度変化で発電できる「湿度変動電池」の性能がアップ


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