産業技術総合研究所ブランディング・広報部が小学生対象に開催しているサイエンスワークショップが2023年8月26日(土)、サイエンス・スクエアつくばを飛び出し、柏の葉にやってきました。
子どもたちに「科学」の楽しさ、面白さを知ってもらう目的で開催している体験型ワークショップです。
サイエンスワークショップ ~夏休みは産総研で科学を体験しよう!~
8月22日~8月25日はサイエンス・スクエアつくばにて工作教室。
8月26日は柏センターにて工作教室と特別企画として体験ツアーを実施。
柏センターで実施したワークショップの様子をご紹介します。
止まっているのに動いて見える⁈
工作教室「スリットアニメーションペン立てを作ろう」
柏センターで初めて実施する工作教室。
広報部スタッフの「さあ、始めましょう!」の声掛けとともに、工作キットにハサミを入れる子どもたちの表情は真剣そのもの。
「見せて」とお願いしてみました。達成感が表れていますね。
工作教室横の休憩スペースにはパロが!!
パロ(アザラシ型メンタルコミットロボット)は、世界で最も癒し効果をもたらすロボットとして、高齢者施設などで活用されています。
休憩スペースにいたパロも、ワークショップに参加した子どもたちへの癒し効果を発揮。
体験ツアースタート。
指から出る水蒸気を見てみよう!
(ウェルビーイングデバイス研究チーム 加納伸也さん・平間宏忠さん)
右から 加納伸也さん 平間宏忠さん
「水蒸気って知ってる人?」
ウェルビーイングデバイス研究で湿度センサの研究をしている主任研究員の加納伸也さんが、子どもたちに質問します。
ちょっと緊張気味の子どもたちが、もぞもぞっと手を挙げました。
「水蒸気には、いろいろな大きさがあります」と、わかりやすく説明をする加納さん。
そして、自分たちの手から出ている水蒸気を見る実験を体験します。
子どもたちに理解しやすいようにと、作成した装置です。
水分を検知すると、ライトが点灯します。
「測る場所によっても違うんだよ」と加納さんが言うと、初めは指先を当てていた子どもたちが、手のひらや手の甲を当てて測り始めました。
乾燥肌の大人がやってみると、なかなかライトが点かずに苦笑いする場面も。
音を動かしてみよう!―人の感覚をあやつるロボット技術―
(共創場デザイン研究チーム 村井昭彦さん)
身体機能計測室に近づくと、いつもとは違う気配が。
動物の鳴き声が聞こえ、中に入ると動物のぬいぐるみが四方に置かれています。
「牛さんの声はどこから聞こえていますか?」と村井さん。
村井さんがぬいぐるみを持って移動すると、それに伴い聞こえてくる方向も移動します。
でも、ぬいぐるみにスピーカーは付いていません。
「あ、何か付いてる!」
ぬいぐるみを手渡された子どもがセンサーに気づきます。
あらためてラボの中を見回すと、60台のカメラと8台のスピーカーに囲まれていることに気づきます。
そこで村井さんは、音の聞こえ方とどうして音が動くのかを、説明をしていました。
想像の世界を最新で体験しよう!
(認知環境コミュニケーション研究チーム 大山潤爾さん)
頭にはヘッドマウントディスプレイ*、手にも変わった形のグローブを付けている子どもさんの楽しそうな表情が伝わるでしょうか。
バーチャルリアリティ技術を使って、仮想空間に作り出された子ども部屋の中で、未来の道具を使って、ビッグライトでおもちゃやぬいぐるみを巨大化させたり、スモールライトで小さくしたりする体験をしているところです。
仮想空間への没入感は、実際に体験してみないとわからないのですが、子どもが観ている景色をモニターで確認することができます。
体験者がおもちゃにビッグライトを当ててどんどん大きくしていくと、モニターで観ている他の参加者が「ヤバい、ヤバい」と一緒に楽しんでいました。
「手に付けた装置は、なんでとんがった変な形をしているのですか」と、体験した子どもから質問が出ました。
大山さんは、「すごくいい質問だね」と言い、モーションキャプチャーを使ったセンシングについて、わかりやすく説明していました。
*本VR体験は、事業ガイドラインに従い、安全に配慮し時間制限を設けて、保護者に同意をいただいた上で実施しております。
初めは緊張していた子どもたちでしたが、科学の楽しさに触れ、どんどん積極的に取り組んでいました。