IoTシステムの最先端技術展「MEMS SENSING& NETWORK SYSTEM 2022」が2022年1月26日~28日、東京ビッグサイトで開催され、産業技術総合研究所(産総研)人間拡張研究センターも出展し、社会実装に向けセンシングデバイス、電池、画像計測マーカなどの研究成果を一般に公開しました。
田中秀幸研究チーム長(撮影時のみマスクを外しています)
「もうすぐ実用的に使えるようになると思っています」
田中秀幸研究チーム長(人間拡張研究センター 生活機能ロボティクス研究チーム)は、自身が開発している画像計測ツールである「高精度マーカ」のいろいろな技術応用を紹介していました。
ひとつは、高精度マーカを使った動作計測です。
「カメラに写らないと計測できない」というマーカの欠点を補うために、IMU(Inertial Measurement Unit)という慣性計測装置との融合によって、途切れない高精度な計測を可能にする研究をしています。
もうひとつは、高精度マーカを使った測位の研究です。
PDR(Pedestrian Dead Reckoning)という歩行者自律航法技術との融合により、マーカの見えない区間を補間しつつ、誤差の蓄積しない高精度測位に関する研究をしています。
今の時代、誰もがスマホなどカメラを持っていると思いますが、この高精度マーカはあらゆるカメラで認識できる、電力も使わない非常にエコなツールです。
これを活用することで、サイバーとフィジカルの高度な融合に必要な位置と姿勢の計測に貢献していきたいと話す田中さん。
自分の位置やモノの位置・動きを知る計測や、安全確実なロボット制御、拡張現実におけるCG(Computer Graphics)と実世界のキレイな重ね合わせなど、多様なところで3次元の位置・姿勢計測が必要となります。
「それを簡単・高精度に、かつ低コストで実現したいと思っている皆さんに使っていただきたいですね」と田中さんは意気込みを語りました。
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