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2022/02/02

【HARC】社会実装に向けた人間拡張研究センターの技術紹介④ 蒸気を識別するセンシング技術の開発

IoTシステムの最先端技術展「MEMS SENSING& NETWORK SYSTEM 2022」が2022年1月26日~28日、東京ビッグサイトで開催され、産業技術総合研究所(産総研)人間拡張研究センターも出展し、社会実装に向けセンシングデバイス、電池、高精度マーカーなどの研究成果を一般に公開しました。


蒸気を識別するセンシングについて説明する加納伸也さん
加納伸也研究員(撮影時のみマスクを外しています)


加納伸也研究員(人間拡張研究センター ウェルビーイングデバイス研究チーム)は、液体の蒸気からその液体の種類を識別するセンサチップの開発をしています。
チップを蒸気にかざすと、その液体が何なのかがわかります。

蒸気にチップをかざし液体を分析するデモ装置の画像


水が入っている瓶を示し、「この空気にチップをかざすとこの液体が水だと解るわけです」と説明します。
従来の方法では液体を取り出し機械にかけて分析しますが、ポータブルなセンサで蒸気をセンシングすることで、より短時間で分析ができるようになります。

もともとは湿度センサの研究をしていた加納さんですが、その延長線上で蒸気についての研究をすることになったそうです。
湿度センサの原理を応用すると水以外の蒸気も検出できるのではないかと考え、実際に検出できることを示してきました。
最近は、開発したセンサを使って、混合物の分析を検討しています。
水とエタノールを混ぜた液体の蒸気を測ると、エタノールの濃度に応じてセンサの応答が変化する様子が、展示のグラフで示されています。

加納さんの研究内容を記載した展示


今、コロナ禍で重要になっている消毒液。
消毒用のジェルやシートに含まれるエタノールの濃度は約70%~80%。
消毒物品のエタノール濃度がちゃんと担保できているかを簡単に検知できる、そんな技術に使いたいと加納さんは話します。

エタノール濃度を測ることは、実は非常に難しいことです。
「開発したセンサを使ってポータブルにパッとエタノール濃度を測れるようになると、医療や介護等の業界でどのようなニーズが生まれるか情報収集をしたい」と加納さんは意気込みを語りました。



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