「お給料はどのくらいですか?」
質問コーナーの初っ端に飛んできた質問に、その場にいた大人たちは苦笑い。
しかしそこは産総研の研究者、「40代で大学の教授と同じくらいかな。でも、大学から大学院を出るまでの9年間は収入が無いから大変です」と、中学生と向き合い回答します。
産総研柏センターがある柏の葉地域には、国や県、市の研究、教育、行政機関などが集まっており、柏市が事務局となって柏の葉地区交流会を組織しています。
今回、柏の葉地区交流会のイベントとして、柏市と産総研柏センターによる中学生対象のプログラムを12月24日クリスマスイブに実施しました。
13時過ぎから、抽選に通った30名の中学生が柏センターに集まってきました。
受付をした後は保護者や先生の付添いは無しのためか、最初は緊張している様子。
谷口正樹所長が国の研究機関である産総研の取り組みや、柏センターについて紹介。
緊張を和らげようと、癒し系ロボットのパロも参加しました。
人間拡張研究センターの研究紹介を担当したのは、竹中毅副研究センター長。
中学生にわかりやすいネタを探りながらの説明に、頷きながら聞いていました。
実験室に移動して、研究の説明を聞いてデモンストレーションを体験します。
「音はどっちから聞こえていますか?」
運動機能計測室では、共創場デザイン研究チームの村井昭彦研究チーム長が立体音響システムを使った運動介入について紹介。
皆さん、目に見えているスピーカーに惑わされていますね。
VR実験室では、スマートワークIoH研究チームの一刈良介研究チーム長が、VRを活用した遠隔操作によるスキルトレーニングについて紹介。
ファミリーレストランでのVRトレーニングを体験しました。
後半は、科学者の仕事を知るプログラムです。
事前に中学生からいただいた質問を元に、谷口所長が自身の経歴を例として、科学者になるまでの道のり、科学者になろうと思ったきっかけ、産総研入職後の業務変遷などを紹介。
さらに、科学と関わる職業など、科学を勉強することの魅力や将来設計のヒントについて話しました。
中学生VS産総研の研究者 ディスカッションタイム
竹中副研究センター長がMCを担当し、谷口所長、小島一浩さん、一刈良介さん、泉小波さん、中江悟司さんが登壇し、中学生の質問に答えました。
ひとりひとりの自己紹介を聞いていると、産総研の研究者になるまでの経歴が様々であることがわかります。
ただ共通していることは、自分が「知りたい」と思ったことを研究し、その成果をどのように社会に役立てるかを考えている人たちであるということ。
質問する中学生も、緊張がほぐれ笑顔で話をしていました。
谷口所長コメント
科学の知識や考え方は、将来、理系に行く人だけでなく、普通の生活の中でも役に立つものです。
参加された皆さんには、ぜひこれを機会に科学者を目指してもらいたいし、
そうでなくても、科学にもっともっと興味を持ってもらえれば嬉しいです。