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産総研:柏センター ニュース お知らせ

2024/07/05

【柏センター】柏の葉高校情報理数科1年生見学会レポ④ ディスカッション編 高校生へのメッセージ

進路選択のヒントを求めて、人生の先輩としての研究者に質問が飛び出しました。
高校生へのメッセージとして、研究者からお薦めの書籍もご紹介します。
 

高校生のうちにやっておいた方がいいことはありますか?

 

高校生と研究者のディスカッション風景


篠﨑:皆さんは情報系の勉強をされているので、やはり数学と物理は必須ですね。プログラミングを習慣的に取り組むといいと思います。それ以外のところでは、自分は博物館によく行って、色々な知識を得ていました。

幸島:自分の高校時代を振り返ると、友達と遊ぶことが大事だと思います。友達が遊んでくれない時は、テレビゲームをやっていました。好きなことをやっていれば、横のつながりから自然と情報が入ってくるようになります。自分の好きなことをやるのが一番です。
 

幸島さんに、お伺いします。子供のころの将来の夢は研究者だったのか、違ったら何になりたかったのか教えてください。


質問する高校生

幸島:小さい頃の夢は理科の先生でした。幼稚園の時には、ロケットを飛ばして火星に行くのが夢だと書いていたので、そういうことが好きな子どもではありましたね。

 

谷口所長への質問① 高校生の時はカメラを作る人になりたかったそうですが、思い描いていた将来と違う方向になってどう思いましたか?

 
質問する高校生
 
回答する谷口所長
 

谷口:カメラを作りたいと光の研究を始めたら、研究の方が面白くなり、メーカーに就職するか、研究者になるか悩みました。そのころ、カメラは自分でピントを合わせるものからオートフォーカスへと変わり、やがて技術がどんどん進歩してデジタルカメラへと変わっていきました。カメラを作ることよりも、研究者になってどのように技術が進歩していくのかを知りたいと思うようになり、国の研究機関で公募があるのを知って研究者になりました。技術のことをよく知ることができたので、研究者になってよかったと思っています。

 

谷口所長への質問② 研究しているのと、所長をやっているのとではどちらが楽しいですか?

谷口:研究は楽しかったですが、思ったような研究結果が出なかったり、次の研究は何をしようかと考えるのが、しんどいと思うこともありました。つらいこともあるけど、研究者時代は楽しかったし、面白かったです。人生のアップダウンが激しかった感じですね。
そういう意味では、今は安定している感じかな。建物の設備が故障したとか経年劣化で苦労することはありますけど(笑)
 

研究をするなかで、大事にしていることを教えてください。

質問する高校生 回答する沓澤研究員

沓澤:「面白いかどうか」で、何をやるかを決めるようにしています。ヤル気が出ることでないと続けられないと思うので、これがわかったらすごく面白いなと感じることを大事にしています。

篠﨑:研究だけをやるのではなくて、例えば礼儀とか、人としてちゃんとしたうえで、社会貢献できたらいいなと思います。そういう準備をしておくことが大事だと思います。

谷口:研究者時代に思ったのは、「研究バカ」にはならないということです。研究は好きですが、仕事としての研究であって、社会人として他のこともきちんとやるようにしようと思っていました。


 

高校生にお薦めの書籍ージャンルを問わずお薦めの本をご紹介します。

  • 『悪癖の科学-その隠れた効用をめぐる実験』著:チャード・スティーヴンズ (紀伊國屋書店)
  • 『喜嶋先生の静かな世界 The Silent World of Dr.Kishima』著:森 博嗣(講談社文庫)
  • 『図解 身近にあふれる「物理」が3時間でわかる本』著:左巻 健男(明日香出版社)
  • 『身の回りのあらゆるものを化学式で書いてみた』著:山口 悟        (ベレ出版)
  • 『化学で「透明人間」になれますか?』著:佐藤 健太郎(光文社)               
  • 『WHAT IF?野球のボールを光速で投げたらどうなるか』著:ランドール・マンロー(早川書房)   
  •  『WHAT IF?Q2だんだん地球が大きくなったらどうなるか』著:ランドール・マンロー(早川書房)       
  • 『WHAT IS LIFE?生命とは何か』著:ポール・ナース(ダイヤモンド社)      
  • 『健康になれない健康商品』著:佐藤 健太郎    (春秋社)
  • 『炭素文明論 「元素の王者」が歴史を動かす』著:佐藤 健太郎(新潮社)   
  • 『科学の迷信』ナショナル・ジオグラフィック編     
  • 『FACTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』著:ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロランド(日経BP)
  • 『捏造の科学者STAP細胞事件』著:須田 桃子(文藝春秋)    
  • 『10万個の子宮』著:村中 璃子       
  • 『WILLPOWER 意志力の科学』著:ロイ・バウマイスター,ジョン・ティアニー,(インターシフト)
  • 『フォーカス』 著:ダニエル・ゴールマン (日本経済新聞出版社)
  • 『成功するには ポジティブ思考を捨てなさい 願望を実行計画に変えるWOOPの法則』著:ガブリエル・エッティンゲン (講談社)
  • 「天久鷹央の推理カルテシリーズ」著:知念実希人(実業之日本社文庫)
  • 『三酔人経綸問答』著:中江兆民 訳・校注:原 武夫  島田 虔次(岩波書店)
  • 『地球星人』著:村田紗耶香(新潮社)
  • 『コンビニに生まれかわってしまっても』著:西村 曜(書肆侃侃房)
  • 『アイドル保健体育』著:竹中夏海 (株式会社シーディージャーナル)
  • 『決してマネしないでください』著:蛇蔵 (講談社)   
  • 『薬屋りかちゃん』著:新井 葉月(双葉社)   
  • 『はたらく細胞』著:清水 茜(講談社)          
  • 『ハルロック』著:西餅 (講談社)   
  • 「探偵ガリレオシリーズ」著:東野圭吾(文藝春秋)      
  • 「化学探偵Mr.キュリーシリーズ」著:喜多喜久 (中央公論新社)       
  • 『すべてがFになる』著:森 博嗣 (講談社)
  • 『モモ』著:ミヒャエル・エンデ (岩波書店)
 

集合写真 とびっきりの笑顔をありがとう



集合写真A


集合写真B


集合写真C



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