柏センターのお隣さんである県立柏の葉高校の1年生が企画・運営する街文化祭「テラスをてらそうフェスタ」が2024年11月7日(木)、柏の葉アクアテラスで開催されました。
総合的な探究の時間という授業の中で半年かけて生徒さんたちが準備してきた企画です。
この授業には、人間拡張研究センターの小島一浩さん、森 郁惠さんが講師として携わっており、生徒の自己肯定感、自己効力感を向上させる課題設定とプログラムデザインの支援を行っています。
目標は柏の葉地域の活性化
地域の皆さんに向けたアイデアの詰まった発表は、まさしく文化祭。
アクアテラスならではの水上ステージでのパフォーマンスは、柏の葉の街文化の象徴となりそうです。
OBによる仕舞の様子
スペシャルステージでは、柏の葉高校OBの東京芸術大学生が能楽「天鼓(てんこ)」と「猩々(しょうじょう)の仕舞を披露。
圧巻のパフォーマンスで魅せました。
また、観覧席みんなで「高砂」の謡を体験するコーナーもあり、貴重な体験をすることができました。
生徒たちのパフォーマンスは、情報理数科による研究発表、古着ファッションショー、ダンスパフォーマンス、バンド演奏などで、
高校生活で身に着けたスキルを発揮し、地域を盛り上げました。
情報理数科による研究発表
ステージの向こう側では、手作りのパターゴルフやワークショップなど体験型のブースを出展。
「ただです!」と声をかけてくれたのは、くじ引きで手作りの栞を配布していた生徒さんたち。
くじ引きと栞の出展ブース
この日のために準備してきた作品を街の皆さんにプレゼントしていました。
<担当研究者コメント>
人間拡張研究センター 小島一浩
柏の葉高校の街フェスは、2023年の企画の段階から関わらせてもらいました。
最初の企画は、普通科の総合的な学習(探究)の授業で「高校生に本物の科学者の授業を受けさせたい」というNPOからの相談でした。
社会を変革する共創リーダーを育成する産総研デザインスクールを運営している関係から、「探究の授業の目的を、高校生が自ら行動することで地域の大人達を動かせる経験から、より主体的に行動できるようになること、としてみてはどうですか?街を巻き込んだフェスを自分達でやってみるとかどうですか?」と提案させてもらいました。
柏の葉高校、NPO、東京大学、我々も街ぐるみのフェス開催の経験は無かったですが、UDCKの協力もあり、地域の自治会も巻き込むことができ、初年度の開催を無事終えることができました。
我々、産総研からはコトのデザインに使用するフレームワークを使った各授業のデザインと形式知化の方法を提供しました。
その結果、柏の葉高校とNPOにもノウハウが蓄積され、2年目は私の関与を緩めることができました。
また、前年の実行委員の生徒達のノウハウが後輩である今年の実行委員に伝えられていたのは、知識の継承からさらには文化になる可能性を垣間見ることができました。
振り返りでは高校生にアンケートを取る予定です。
高校生にどのようなマインドセットの変化があったのか、楽しみにしています。
人間拡張研究センター 森 郁惠
今年も晴天に恵まれた中、2回目の街フェスが開催されました。
週末の雨の影響で遊歩道に水たまりができていて、設置や運営に苦労しているだろうと思われましたが(それが調整池の機能を持つアクアテラスの役割でもあります)、笑顔で運営に携わる生徒達の姿や、地域の方々が集まってステージを観覧している様子は、まさに街の文化祭という賑わいでした。
また今年は、情報理数科からスライドリフト*を遠隔操作で活用するという研究課題のプレゼンテーションもあり、柏の葉高校が一体となって取り組む形になっていることが、この数年、柏の葉高校とご一緒してきた一人として、大変嬉しく思いました。
* スライドリフト:電動アシストで全方向移動が可能、ドリフト走行等も可能な車椅子
https://superhuman-sports.org/sports/slidelift.php
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