単一電子を高効率かつ精密に制御し、量子論理ゲートにおけるSAWの可能性を示す
SAW駆動量子回路に不可欠な二つのコンポーネント、すなわち結合量子細線デバイスとトリガー型単一電子源を開発した。結合量子細線デバイスは飛翔する電子を二つの輸送路に分割し、トリガー型単電子源は電圧パルスを用いてピコ秒スケールの同期精度でSAW駆動送信を行う。実験の結果、長さ20 µmの一対の量子細線に沿って99.75 %という高い転送効率で電子を移送することに成功した。また、電子移送のタイミングを精確に制御することに成功した。さらに、結合量子細線デバイスのゲート電圧を変化させることで移送方向が制御できることも実証した。