南海トラフ震源部の地層の水圧は、従来の想定よりも高く維持されていると推定
南海トラフ震源部と類似した地層が地表に露出している宮崎県延岡衝上断層の観察と解析結果に基づき、「亀裂モデル」を構築し、地層の水圧の時間変化を算出した。これを南海トラフ巨大地震の震源の地下深部の地層に適用すると、海溝型巨大地震を引き起こすプレート境界付近に存在する水圧は、従来の認識とは異なり、地震後もほとんど減少しないとの結果を得た。南海トラフ巨大地震を引き起こす要因の一つであるプレート境界付近の水圧について、従来考えられてきた120 MPa程度の水圧の変動に対して、今回の成果では、10 MPa規模の水圧変動が見積もられた。