要点
バッテリーで駆動するロボットに搭載可能な小型で軽量、かつ高い透過能力を持つX線非破壊検査装置を開発した。
図1 配管検査ロボットに搭載したX線源ユニット |
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図2 鋼板を透過した鉛文字像
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新たな成果
カーボンナノ構造体を用いた管電圧200 kV以上の高エネルギーX線源とそれに対応したX線検出器からなり、1ショット0.1秒のX線照射で5 cm厚、複数ショットで6インチ配管の減肉計測を透過イメージングすることが可能。また、待機電力不要で電力の消費が少なく、小型軽量のバッテリーで駆動できるため、インフラ構造物などを検査するロボットに搭載することで効率的な非破壊検査が可能になる。
背景
近年、老朽化したインフラ構造物の安全性を評価するための技術の開発が喫緊の社会的課題になっている。インフラ構造物の検査においては、X線を用いた非破壊検査が有効であるが、ロボット等を用いて効率的な検査を行うには小型軽量で高い透過能力を有するX線検査装置が必要とされていた。
今後の予定と応用展開の可能性
今後は、化学プラント配管検査などの実証試験を行い、インフラ構造物の非破壊検査への応用も検討し、老朽化による事故の低減など安全安心な社会へ貢献する。
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