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産業技術総合研究所 北海道センター所長
鎌形 洋一 |
産総研北海道センターは、産業技術総合研究所の北海道拠点として社会に役立つ研究所を目指して、研究開発と産学官連携の二つの活動の充実・強化を進めています。研究開発は、「生物プロセス研究部門」と「メタンハイドレート研究センター」の二つの研究ユニットが担い、それぞれ世界最先端の研究を目指しています。生物プロセス研究部門では完全密閉型組換え植物工場に代表されるようなバイオテクノロジーを用いた新しい物質生産技術の研究開発を、メタンハイドレート研究センターでは日本近海にも多く存在しているメタンハイドレートをエネルギー資源として利活用する技術の研究開発を進めています。これらの研究開発は、日本が抱えているエネルギー問題や医薬品・農産物の効率的生産に大きく貢献することを目指しています。
産学官連携機能としては、北海道産学官連携研究棟(ほっかいどうOSL)を中心として企業・大学等との共同研究を進めるとともに、札幌市内に大通りサイトを設置し、道内の産学官の主要機関から構成される「リサーチ&ビジネスパーク札幌大通サテライト(HiNT)」と連携して、地域の技術ニーズやシーズの把握、そして産総研の技術シーズの発信を積極的に進めています。
また、北海道センターだけでは解決が難しい課題に対しては、産総研が全国に有している他の9つの研究拠点の研究開発力を最大限活用して、課題解決を行っていく体制ができています。産総研においては、環境・エネルギー分野、ライフサイエンス分野、情報通信・エレクトロニクス分野、ナノテクノロジー・材料・製造分野、計測・計量標準分野、地質分野の6分野の研究が行われており、多様な技術課題に対応できるポテンシャルを有しています。
北海道センターは、産総研の北海道における研究拠点として、また皆様と一緒に課題解決を行っていける連携拠点として、地域、日本、そして世界へ貢献できるように努力してまいりたいと思います。ぜひとも産総研北海道センターを活用いただければと存じます。あわせて研究・産学官連携活動において関係各位のご支援ならびにご指導ご鞭撻のほどなにとぞ宜しくお願い申し上げます。