2016/04/19
第17回産総研北海道センター講演会(兼HiNTセミナー)開催しました。
北海道センター講演会を下記の通り開催いたしました。
多数の皆様にご参加いただき、予定時間を超過して活発な質疑・意見交換が行われました。
日時 |
2016年4月19日 17:00~18:00 |
場所 |
R&Bパーク札幌大通サテライト(札幌市中央区大通西5丁目 昭和ビル1階) |
講演者 |
野中一洋 (産業技術総合研究所 エレクトロニクス・製造領域研究戦略部IC) |
講演題目 |
官能検査自動化・システム化と標準化
- めっき光沢ムラ・色ムラの検査装置開発と関連のトピックス紹介 - |
概要 |
日本の製造業は高品質・高信頼なものづくりで世界最高の技術水準を有するが、アジア新興国など、海外との競争に苦戦しており、生産性を極限まで向上させることが喫緊の課題となっている。また、次世代自動車や航空機などの交通・インフラ関連や医療関連など、新規成長分野の開拓が重要になるにつれて、より高い品質と信頼性が求められている。さらに、製造の海外シフト、グローバル化の進展に伴って、それらの基盤強化のためには標準化によって国際的なルールづくりに自ら参画することの重要性が認識されるようになってきた。
しかしながら、製造現場の検査工程では、目視検査など、人手に頼っているところが随所に残されており、生産性向上のボトルネックになっている。さらに、検査基準の曖昧さに伴う品質トラブルをはじめ、設計や上流工程へのフィードバックが困難など、様々な問題も指摘されている。big dataやモノのインターネット(IoT)など、次代の潮流が活発に議論されている中で、検査のあり方が改めて問われている。
本セミナーでは、目視検査の中でも自動化の最も難しいもののひとつに分類される、めっき表面の光沢ムラ(表面粗さ)・色ムラ(成分)について、光学的な手法を用いた小型検査装置の開発と検査法の国際標準化に向けた取り組みを中心に紹介する。ここでは、外観異常としてのムラを散乱光の偏光成分比と波長成分比で同時に捉えて画像(2次元データ)化し、特徴量抽出と多変量解析の組み合わせによってムラの程度を数値化して良否の自動判別を実現している。本技術は、表面欠陥に分類される粗さ、傷、打痕、減肉、変質、異物など、その多くの検査について適用可能である。現在、これまで困難とされていた種々の自由曲面を持つ製品部材の検査に展開を進めている。
これら関連のトピックスとして、産総研で取り組んでいる製造現場に適用可能な可視化計測技術の研究例や、産学官の新たな連携を目指した各種研究会活動などを併せて紹介する。 |
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