所長挨拶
いま世界は地球温暖化などの課題を克服した持続可能な循環経済(サーキュラー・エコノミー)への転換が急務となっています。これは環境対策を超えて、新しい時代を切り開くイノベーションの競争でもあります。産総研では、第5期中長期目標で「社会課題解決と産業競争力強化」を掲げ、産総研のイノベーション創出機能を強化して、「ナショナル・イノベーション・エコシステム」の中核となることを目指しています。
そして中国センターでは、第5期から「材料診断技術」を看板に掲げ、研究の実施組織である機能化学研究部門が、「材料診断技術」、「ナノセルロース技術」、「バイオものづくり」の3つのコアコンピタンスで、化学材料(特に、樹脂・ゴム・バイオ系材料など)の機能性や信頼性の向上、化石資源からバイオ資源への原料転換、サプライチェーンや製造プロセスの最適化、および樹脂リサイクルなどによる循環経済への転換を促進するための研究開発に取り組んでいます。
こうした取り組みをより一層強化するために、中国センターにはマテリアル・プロセスイノベーション(MPI)プラットフォームとしての「有機・バイオ材料拠点」および「地域イノベーション創出連携拠点」が設置され、先端的なプロセス装置や分析評価装置が多数整備されました。拠点設備や「材料診断プラットフォーム」および「なのセルロース工房」の仕組み等を最大限に活用して企業連携による技術の社会実装を推し進めるとともに、大学・公設試などの研究・支援機関、国や地域の行政機関との密接な連携・協力関係を構築しながら地域イノベーションを展開・発展させ、中国地域を起点として我が国の産業競争力の強化に貢献していきたいと考えています。
産業技術総合研究所 中国センター所長
佐藤 浩昭
なお、中国センターの取り組みについては動画でも紹介しております。下記バナーよりぜひご覧ください。