産総研 - ニュース お知らせ

お知らせ記事2004/10/12

産業技術総合研究所臨海副都心センター、日本科学未来館の提携
-学術研究から展示企画・人材交流まで、隣接する研究所とミュージアムの広範な連携-

概要

 産業技術総合研究所臨海副都心センター(東京都江東区青海/所長 曽我 直弘)と日本科学未来館(東京都江東区青海/館長 毛利 衛)は、学術研究と人材交流の促進を目的とする協力協定を結ぶことで合意し、10月14日(木)に日本科学未来館で、双方の代表者が出席して協定書の調印式を行います。また、調印式後には協定締結を記念して日本科学未来館の「実験工房」に設置される産業技術総合研究所が研究・開発した「デスクトップ型高性能単結晶育成装置」のお披露目を行います。

 今回の協力協定は、国際研究交流大学村内に隣接して位置する両機関が、学術研究と展示等の科学技術の理解増進活動の交流を促進することを目的に、研究所とミュージアムが連携して一層の社会貢献を目指そうとするものです。

<協力協定書の要旨>

 両機関の学術研究・人材交流の促進を図ることが盛り込まれています。具体的には、双方が関係する共通の研究分野を対象として、研究者、研究支援者、科学技術スペシャリスト、インタープリター等の人材交流、展示等の共同研究の実施と学術研究資料の相互提供などを図ります。協力協定の期間は当面5年間とし、双方の合意のもとに改定・延長等が可能なものとします。

<今後の交流計画>

 今回の協力協定の第一歩として、産業技術総合研究所(産総研)が研究・開発した「デスクトップ型高性能単結晶育成装置」を日本科学未来館(未来館)の「実験工房」に設置します。また、産総研臨海副都心センターの展示施設の企画・運営への未来館の協力、未来館の新規展示企画への産総研臨海副都心センターの研究者の協力などを予定しています。更には、双方の学術研究・展示等のスタッフの積極的な交流により、最先端技術のさらなる社会還元を目指します。

<協力協定調印式、記念展示物撮影>

日時: 2004年10月14日(木) 午後 5時~5時50分(受付:4時45分)
場所: 日本科学未来館 (VIPルーム 及び 実験工房)
東京都江東区青海2-41 TEL:03-3570-9151(代表)
※新交通ゆりかもめ「船の科学館駅」下車 徒歩5分
調印式: 午後 5時00分~5時20分  VIPルーム(2F)
記念展示物撮影: 午後 5時20分~5時50分  実験工房(3F)
調印者: 産業技術総合研究所臨海副都心センター 所長 曽我 直弘
日本科学未来館 館長 毛利 衛

<記念展示物>デスクトップ型高性能単結晶育成装置

 産総研が、NECマシナリー株式会社と共同開発した世界最小のデスクトップ型高性能単結晶育成装置。従来の赤外線集中加熱式単結晶育成装置は、大型、高価で、大電力に加え、循環水冷却装置等の設備が必要であったが、小型、簡便型のこの装置は、安価で一般家庭用の電源で使用可能であり、短時間で2100℃の高温を得ることができる。研究室だけでなく、家庭でも単結晶(人工宝石)の作製を可能にした。
サイズ:幅55cm、奥行き60cm、高さ103cm、重量約90kg

2002.02.17発表(プレスリリース)
 ・世界最小デスクトップ型高性能単結晶育成装置を開発

<設置場所>日本科学未来館  実験工房

 一般の来館者が、研究者・専門家と一緒になって科学実験や工作プログラムに参加・体験して、科学技術の面白さに直に触れることができるユニークな展示施設。本格的な実験装置を備えた実験室では、バイオ、超伝導、ロボットのコースの他、ノーベル賞化学者、白川 英樹 博士の教室も毎月開催され、大好評を博している。

<参考資料>

産業技術総合研究所とは、
 産業技術総合研究所(理事長 吉川 弘之)は、旧工業技術院所属の15研究所と計量教習所が母体となって2001年4月に設立され、わが国の産業競争力の強化と新規産業の創出につながる先端技術や革新的技術のシーズ探索とその応用技術開発を目指した研究開発を推進している。
 臨海副都心センターは、産業技術総合研究所の9番目の新しい研究拠点として2001年7月に開所し、ライフサイエンス、情報技術、ナノテクノロジーの領域で本格研究に取り組んでいる。また、国際的な産学官連携の研究拠点として、フレキシビリティーの高いオープンスペースラボの機能を提供している。今後、現在建設中の新棟とあわせて、研究成果の展示スペースを充実させ、産業技術総合研究所のショウウインドウとしての役割を果たすことも目指している。

○日本科学未来館(http://www.miraikan.jst.go.jp/)とは、
 日本科学未来館は2001年7月、交流を通し科学を文化として身近に感じてもらうことをコンセプトに、最先端科学を展示するサイエンスミュージアムとしてお台場に誕生した。3年目を迎えた今年度からは、公共施設・日本科学未来館の次なるステップとして、展示物、展示企画の充実に加え、研究者・研究所、教育機関との連携にも一層、力を入れている。