お知らせ

お知らせ記事2025/01/29

国内初!中型バスによる自動運転レベル4営業運行を開始

概要

国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下「産総研」という)は、2021年度より経済産業省および国土交通省の研究開発・社会実装事業「RoAD to the L4テーマ2:公道交差を含む専用道区間等におけるレベル4自動運転サービスの実現に向けた取組 [PDF:2.4MB]」において、デジタルアーキテクチャー研究センター 加藤首席研究員がテーマリーダーとしてコンソーシアムを組み、自動運転レベル4の実現に向けた研究を進めてきました。このたび、茨城県日立市の「ひたちBRT」において、国内初の中型バスによる自動運転レベル4の営業運行を2025年2月3日より開始します。運行に先立ち、2月2日には出発式を開催予定です。

なお、本件の詳細については、下記のウェブサイトをご覧ください。

 

レベル4自動運転の状況詳説

自動運転レベル4での特定自動運行を、既存の「ひたちBRT」路線のうち、まずはバス専用道区間(約6.1km)で行います。この走路は自動運転レベル4としては国内最長であり、加えて一般道との交差点が11箇所(交通信号機:有り3、無し8)、緑の横断指導線が15箇所(歩行者等の横断部:バス停内9、単独6)、バス停が14箇所あります。この複雑な道路環境の中で、安全かつ安定した走行を実現するための戦略を構築しました※1。さらに、路線バスに使われることの多い中型バスによる自動運転ということから、今後広く活用ができるものとなっています。

自動運転レベル4である特定自動運行中は、運転者を必要としませんが、現時点では料金収受やドア開閉等を行う乗務員をワンマンバスと同様に運転席に配置します。この乗務員は、法規上必要な特定自動運行主任者と特定自動運行保安員を兼ねて乗車するものであり、これは「乗務員乗車型」※2のレベル4の自動運転移動サービスとしての運行となります。ただし、現在、専用道区間内の一般道との交差部において、レベル2で走行する区間があります。水木交差点では、車両用信号機は設置されていますが、歩行者用信号機がありません。そのため、この交差点前では、一時停止後に自動運転レベル4からレベル2に自動的に切り替え、乗務員が運転者となって手動介入を可能とし、交差点の横断歩道を通過後に一時停止し、レベル4に再び切り替えます。自動運転レベル4の走行の際には、車両外に「自動運行中」の文字を表示していますが、レベル2の走行の際には、このような表示はしない仕組みです。今年度中に歩行者用信号機を設置することについて茨城県警察と協議しており、これにより専用道区間全体でレベル4運行が可能になる予定です。

今後、この取組を通じてさらなる省人化・省力化等を目指します。次のステップとして、乗務員を車内に置かず遠隔に配置する「遠隔監視型」※3のレベル4自動運転サービスの実現に向け、技術開発を進めてまいります。

※1 ひたちBRTの専用道区間の道路環境における安全走行戦略等については、以下の資料をご参照ください。
ひたちBRTの専用道区間の道路環境における安全走行戦略等について.pdf [PDF:835KB]
※2 乗務員乗車型のレベル4の自動運転移動サービスとは、特定自動運行主任者と特定自動運行保安員を兼ねた乗務員が乗車する形態で行うものとして定義しており、詳細については、以下の資料をご参照ください。
レベル4の自動運転移動サービスにおける乗務員乗車型と遠隔監視型について.pdf [PDF:500KB](2023年11月30日:RoAD to the L4 人の移動に関する拡大TF資料5)
※3 遠隔監視型のレベル4の自動運転移動サービスとは、特定自動運行主任者(特定自動運行保安員兼務)が遠隔から監視や安全確保する形態で行うものとして定義しており、詳細については、上記の※2をご参照ください。
 
 
RoAD to the L4 テーマ2 コンソーシアム 参画団体
株式会社みちのりホールディングス
国立研究開発法人産業技術総合研究所
先進モビリティ株式会社
一般財団法人日本自動車研究所
株式会社日本総合研究所
 
 

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本件問い合わせ先

国立研究開発法人 産業技術総合研究所
ブランディング・広報部 報道室
E-mail:hodo-ml*aist.go.jp(*を@に変更して使用してください。)