国立研究開発法人 産業技術総合研究所（理事長：石村 和彦、以下「産総研」）は、２０２３年３月に設立した「介護現場におけるテクノロジーの効果的活用のための評価手法検討委員会」※１における議論を取りまとめましたので、最終報告書として公表します。
本報告書は、介護現場における介護テクノロジー（以下「介護Tech」）が介護現場で効果的に活用されることを目的として、導入時に必要と考えられる評価の視点・手法・項目等についての検討結果をまとめたものです。
なお、本委員会は、産総研および株式会社AIST Solutions（代表取締役社長：逢坂 清治）がＳＯＭＰＯホールディングス株式会社（グループＣＥＯ代表執行役社長：奥村 幹夫）、ＳＯＭＰＯケア株式会社（代表取締役社長ＣＥＯ：鷲見 隆充）との共同研究体制において実施しました。
本報告書は、「評価手法検討に向けた調査報告」「介護Tech評価に必要な観点」「介護Tech導入評価手法の活用場面」の３つのパートで構成されます。特に、介護現場における介護Tech導入検討を容易にするための検討項目を「８つの観点」として整理し、この「８つの観点」を確認するためのツール「介護Tech導入評価チェックシート」を作成しました。
これらにより、介護事業者は介護Techの包括的な検討を行った上で導入の要・不要を判断し、効果的に活用できる介護Techの導入を行うことができます。また、検討過程において様々な専門職が関わることで多くの気づきが得られるものと考えています。
２０２４年度の介護報酬改定において、介護ロボットや ICT 等のテクノロジーの活用が推進されています。これを契機に、多くの介護事業者において介護Tech導入の検討が進むものと想定されます。本委員会において検討した評価手法を広く公開することで、より多くの介護事業者の介護Techの適切な選択と効果的な活用の支援につながることを期待します。特に、「これから介護Techの活用に一歩踏み出す」 介護事業者の皆さまには、是非活用いただきたいと考えています。今後、本委員会で検討した成果を広く展開する取組みを通じて、介護現場におけるスタッフの心身負担の軽減と働きやすい環境を実現することで、持続可能な介護事業モデルを構築していくことを目指します。
※１ 「介護現場におけるテクノロジーの効果的活用のための評価手法検討委員会」設立について
https://www.aist.go.jp/aist_j/news/au20230327.html
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