フラクタルで生成された画像パターンは、他の自動生成データセットを凌駕
本研究では、画像データと教師ラベルを数式から完全自動生成し、画像データセットを構築した。はじめに自然物の一部を形成しているとされる数式であるフラクタル幾何によって自動生成した画像データセットを画像認識AIに学習させたところ、実画像と人間が与えた教師ラベルを用いた従来の学習に近い精度で認識することができた。さらに、画像認識の際、AIが主にフラクタル幾何の輪郭成分に着目して物体を識別していることから、放射状に輪郭を生成する関数を用いた画像データセットも構築した。これらふたつの画像データセットをベースとして改善を繰り返したところ、それぞれ学習した画像認識AIによる一般物体画像(ImageNet)の認識精度は、実画像によるものより高い水準(フラクタル幾何:82.7 %、輪郭形状:82.4 %、実画像81.8 %)を記録した。