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ホーム > 研究成果検索 > 研究ハイライト 世界最小線幅の印刷技術で実現!低反射・高耐久偏光シート
掲載日:2020/10/09
金属インクでワイヤーグリッド偏光素子構造を作り、偏光度99%以上、従来の反射率51%に対し1/10以下(5%以下)の低反射率ワイヤーグリッド偏光シートを実現した。
偏光素子は、液晶ディスプレイのみならず、液晶プロジェクターなどの光学機器、ヘッドアップディスプレイなどの車載機器、液晶露光装置などの製造装置、偏光サングラスなど広い分野に欠かせない偏光制御技術を支える光学素子である。車載機器や液晶プロジェクターなど想定される使用環境では、製品を構成する素子に高い耐久性(耐熱性、耐湿性、耐光性)が求められる。 従来のワイヤーグリッド偏光素子は、偏光度が高い、透過率が高い、薄い、といった特長を兼ね備えているが、反射率が高く、その用途は液晶プロジェクターなどに限られていた。
今回、ナノインプリント技術と印刷技術を融合させて、ワイヤーグリッド偏光素子の構造(可視光の波長より細い幅で高アスペクト比)を金属インクで形作り、適切な焼成により、世界に先駆けて偏光度99 %以上、反射率5 %以下の低反射率ワイヤーグリッド偏光シートを実現した。この技術により従来のワイヤーグリッド偏光素子の特長を活かしつつ、反射率を低減できた。また、耐熱性、耐湿性、耐光性、耐スクラッチ性も備えているため、光学分野のみならず、これまで応用が難しかった眼鏡業界、自動車業界などへの展開も期待できる。
今回は印刷技術を応用することでワイヤーグリッド偏光素子の低反射化を達成したが、今後は偏光度と透過率を両立すべく研究開発を推し進める。
主任研究員 穂苅 遼平(ほかり りょうへい)
研究グループ長 栗原 一真(くりはら かずま)
メール:webmaster-am-ri-ml *aist.go.jp(*を@に変更して使用してください。)
ウェブ:https://unit.aist.go.jp/am-ri/
https://unit.aist.go.jp/am-ri/ja/groups/sid/ja/