要点
光スイッチを駆使することで、光信号を電気変換せずに光のまま交換し、超大容量・超低消費電力・超低遅延を実現する情報通信ネットワークシステムを開発した。
新たな成果
光ネットワークの中核となる光スイッチは、産総研のシリコンフォトニクス技術により開発され、世界最小の光スイッチ・ブレード装置として標準ラック内に組み込まれ、中間制御装置によって制御される(図)。この技術の普及を図るため、従来は各企業の独自規格であった光伝送ネットワークシステムを、機能ごとに分割し、個別に迅速な機能追加や性能改善を図ることが可能なディスアグリゲーション型のシステムとした。
背景
近年、電子ルーターを使ったネットワークシステムはトラフィックの増加に比例した消費電力の増加により、大容量化の限界に近づいている。従来の光伝送機器は、一つのメーカーが光伝送ネットワークに関連した各機能を1台に集約する、いわゆる、オールインワン型であった。近年、国内外におけるネットワークサービスの急速な変化にいち早く対応していくため、迅速な機能追加や性能改善を図ることができる、機能ごとに分割されたディスアグリゲーション構成を採用した光ネットワークシステムへのニーズが高まっている。しかし、機能ごとに分割されたさまざまな企業の製品を相互接続すると、非互換性による動作不備などの課題があり、最適なシステム構築が十分に達成されていなかった。
今後の展開
産総研は急速に進展する情報通信業界に対応するため、国際的な情報発信を継続し、本技術のデファクトスタンダード化を目指す。
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