要点
ゲノム編集を用いて主要なアレルゲンを含まない卵の生産を目的としたニワトリの開発を行った。
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図1 オボムコイド遺伝子を欠失したゲノム編集ニワトリの作製法 |
産総研研究者が生み出した方法
最新のゲノム編集法をニワトリに世界で始めて適用し、主要な卵白アレルゲンであるオボムコイドの遺伝子を欠損させた雌雄ニワトリを開発した。ゲノム編集、第0世代ニワトリ作製および解析は産総研が担当し、ニワトリの飼育、交配部分は農研機構と信州大学が担当した。
背景
2013年に「CRISPER/Cas9」というピンポイントに遺伝子を切り貼りできる技術が発表され、ゲノム編集の研究速度が格段に向上した。ニワトリ等の家禽では受精直後の卵細胞の操作が困難であり適用された例はなかった。生殖細胞のもとになる細胞にゲノム編集を施し、この細胞を初期胚に移植してオボムコイド遺伝子を欠損させた雌雄鶏を開発した。
今後の研究予定
オボムコイドタンパク質を含まない鶏卵生産が可能かどうか調べる。低アレルギー鶏卵や鶏のゲノム編集技術に興味のある企業からの引き合いが来ている。
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