- ナノマテリアルの設計・試作・評価を行うための各種装置群を設置
- 共同研究契約や技術コンサルティング契約に基づき、本装置群を利用可能
- 専門家だけでなく一般の方にも対応した見学コースを整備
産総研東北センターは、令和3年度補正予算事業において、ナノマテリアル(粘土やゼオライトを代表する、ナノスケールの構造により機能を発揮する材料)の設計・試作・評価を行うための設備であるナノマテリアル試作・評価プラットフォームの整備を行い、東北センター構内の一部建物の高度化工事を終えて、供用を開始しました。あわせて、ナノマテリアル試作・評価プラットフォームの実験室の一部を見学できる見学コースもオープンしました。
供用開始を記念して、2023年8月1日(火)に東北センターにて開所式を執り行いました。
開所式には東北経済産業局 戸邉 千広局長、東北経済連合会 増子 次郎会長をはじめ、地元の各機関の代表者からご祝辞を賜ったあと、テープカットが行われました。
東北センター所長 蛯名 武雄と東北センター産学官連携推進室長 相澤 崇史よりそれぞれナノマテリアル試作・評価プラットフォームおよび見学コースについて講演を行い、参列いただいた方々を見学コースにご案内して、実験室や実験装置をご覧いただきました。同時にオンライン参加者(90名参加)向けに見学コース紹介動画を放映しました。
開所式 テープカット
見学コースの見学
ナノマテリアル試作・評価プラットフォームの概要
ナノマテリアルの設計・試作・評価を一貫して行う装置を21台導入
ナノマテリアル試作・評価プラットフォームには、ナノマテリアルの設計・試作・評価を一貫して行い、各フェーズに合わせた高機能なナノマテリアルの開発に寄与する各種装置を21台設置しました。例えば、設計時には材料分子シミュレーション装置、試作には混練機等の加工機械、得られた材料の微細構造の検討には電子顕微鏡や電子線回折等の解析装置、材料特性の確認には透過率測定装置や耐候性試験機等の評価装置があります。
導入された装置の例
極微小結晶解析装置
材料物性シミュレーション装置
2軸混練押出成形機
▶ 整備された装置の一覧
ナノマテリアル試作・評価プラットフォームの効果と地域貢献
東北地域内の中堅・中小企業等が開発した材料の評価を行うとともに測定方法の標準化を行い、開発したナノマテリアルの特性値を全国のユーザーと情報共有しサプライチェーンの構築につなげます。具体的には、水素貯蔵品、電気自動車部品等への用途拡大・新産業の創出を目指します。
産総研東北センターにおけるナノマテリアルの開発・標準化の取組
産総研東北センターでは、ナノマテリアルを用いた研究開発を実施しており、これまで省エネルギーな膜分離を可能とするゼオライトや、耐熱性・耐薬品性・耐電圧性・ガスバリア特性・透明性等の特徴を持つ粘土膜等を開発してきました。これらの技術は、連携先企業によって既に上市されたものも有り、さらにナノマテリアルの市場は今後大きな拡大が期待されています。
また、新規高機能材料の活用には、その機能を保証し類似製品との差別化に役立つ国際標準化が有効です。そこで産総研では、ナノマテリアルの国際標準化審議団体であるISO/TC229の国内審議団体の事務局を設置し、我が国が優位にあるナノテクノロジー先端技術開発分野において、産業の健全な発展を目指して国際標準化を推進しています。
ナノマテリアル試作・評価プラットフォームのご利用方法
共同研究契約や技術コンサルティング契約を締結したうえで、装置群を利用します。これまでに産総研が開発・蓄積した基盤技術やノウハウを基にして、企業の材料開発を支援します。
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国立研究開発法人産業技術総合研究所東北センター
ナノマテリアル試作・評価プラットフォーム事務局
メール:M-nepp-tohoku-ml*aist.go.jp *を@に変えてください。
見学コースの概要
ナノマテリアル試作・評価プラットフォームの装置群を窓越しにご覧いただける見学コースを整備しました。見学コースにはメインとなるDX(デジタルサイネージ)技術を活用した展示台を設置し、東北センター職員によるアテンドのもと、産総研東北センターの概要や東北センターで行われている研究を紹介します。専門家だけでなく、一般の方にも対応しています。見学は予約制で、予約はWebページで受け付けています。
実験室見学
研究成果紹介
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