NEDOプロジェクトを核とした人材育成,産学連携等の総合展開
セルロースナノファイバー先端開発者養成に係る特別講座
開催趣旨
既存の石油由来の素材の代替としてだけではなく、幅広い分野へ活用が期待されるセルロースナノファイバーの社会実装を拡大、促進するための「場」(拠点)を構築し、セルロースナノファイバー新製品開発の技術を支える人材を育成することを目指し、本講座を開設することとなりました。また、拠点を中心として多方面の人材の交流を図る他、サンプルワークや分析、評価の支援、アドバイスを行うなどの取組みを通じ、これまで想定していなかった新しい分野、用途となり得る、多種多様な専門領域においても、当該技術を担う人材が育つという「好循環」を形成することを目指しております。
本講座では、東京大学・京都大学・京都市産業技術研究所・産業技術総合研究所の各機関で講義および実習を行います。各機関の著名な先生方による講義だけでなく、実習によるCNFへの取り組みを学べる大変有益な機会となっております。「これからCNFを利用した新たな事業をお考えの企業の方」「過去にCNF事業を試みたが中断した企業の方」など、今後、CNF事業の展開をご検討されている多くの企業の方に御参加いただけることを期待しています。
開催概要
日時 |
2023年度後期(12月~3月)のうち21日間
東京大学:12月4-8日(期間中に3日間)
産総研中国センター:1月17-19, 24-26, 2月7-8日, 15-16日
京都大学・京都市産技研:2月21-22, 28-29, 3月6-8日
合同ワークショップ:3月12日(京都大学にて開催予定)。
- 各機関における日程は、上記を予定しております。
- 諸事情等により、講座日程に変更が生じる場合もございます。予めご了承ください。
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場所 |
[1] 東京大学大学院 農学生命科学研究科(東京都文京区弥生1-1-1)
交通アクセスの確認はこちらから
[2] 京都大学生存圏研究所(京都府宇治市五ヶ庄)
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[3] 京都市産業技術研究所(京都府京都市下京区中堂寺粟田町91)
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[4] 産業技術総合研究所 中国センター(広島県東広島市鏡山3-11-32)
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実施内容により上記の4機関で実施いたします。 |
受講料 |
無料(資料、サンプル、機器使用等)
- 実施機関により受講期間通しで、数千円程度の人頭経費(各種施設使用等の費用)が発生します。
- 受講に伴う旅費・宿泊費等は受講者負担です。
- 保険等は、参加者様ご自身でご負担・ご加入お願いします。
- リモート参加に際し、ご利用にかかるパケット通信料は、参加者のご負担となります。
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定員 |
20名(各社1名)
お申込み多数の場合は、受講目的、CNF実用化への意気込み、分野の偏りなど、皆様からの申込内容を考慮し実施機関担当者相互協議により受講者を決定させていただきます。ご希望に添えない場合がございますので、予めご了承ください。 |
受講の可否 |
実施機関担当者相互協議により受講者に決定した方には、2023年11月21日(火)までにご連絡差し上げます。 |
注意事項 |
- 特定講座のみの受講は、原則認めておりません。
- 受講者の途中交代は原則認めておりません。1名での受講が困難であることが予想される場合は、事前に事務局にご相談いただき、申込時、「受講目的」にご記入ください。
- これまでに本講座を受講いただいたことのない企業の方を優先致します。これまでに受講された企業の方で、新型コロナウィルス感染拡大のため現地実習にご参加いただけなかった方もお申し込可能です。
- 本講座にお申し込みいただけるのは、企業の方、および、公設試の方、となっております。公設試等の方は、オブザーバー参加とし講義のみのオンライン参加となります。現地での実習参加をご希望の方は、別途ご相談となりますので、申込時「受講目的」にその旨をご記入ください。(公設試の方のご参加は、数名以内に調整させていただきます。)
- 上記以外の団体に所属の方は、実施機関担当者相互協議によって参加の可否を判断させていただきます。
- 原則、現地参加となりますが、新型コロナウィルスの状況等により、リモートで開催される場合もございます。現地参加いただける方を優先します。
- 産総研での実習に際しては、事前に技術研修受入に関わる契約を交わして頂きます。受講者の決定から書類提出までの期間が短くなっております(2週間程度)。予め、技術研修のHPから提出書類をご確認いただきご準備ください。https://www.aist.go.jp/aist_j/business/alliance/gijutsukenshu/index.html
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ご案内・プログラムはこちらからご覧ください。[ PDF: 350 KB ]
お申し込み方法
下記の方法にてお申し込みください。申込締切:2023年11月7日(火)
◆WEBからの参加申込み
下記の申込フォームに必要事項を記入いただき、送信してください。
⇒ 申込フォーム
※締切日を過ぎましたので、募集を終了いたしました。
多数の方にお申し込みいただきありがとうございました。
*お申込みが完了いたしますと、申込受理のメールが自動送信されます。必ずご確認ください。
※いただいた個人情報は、今後の「CNF人材育成講座」に関するご連絡等に使用させていただきます。これ以外の用途に用いることはありません。
本件に関するお問合せ先
ご不明な点がございましたら、下記メールアドレスまでお問い合わせください。
「CNF 人材育成講座」事務局
(産業技術総合研究所 中国センター)
電子メール:cell-kouza-ml#aist.go.jp(#を@に変更して送信下さい)
(お問い合わせのメールタイトルには、必ず「CNF講座」と記載してください)
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セルロースナノファイバー(CNF)に関する講義と実習(実技実習あり)
(1) TEMPO酸化CNFの製造技術講座
(担当:東京大学 3日間)
木材、セルロース、およびCNFに関する基盤的事項について、学術面と応用面について講義。TEMPO酸化CNF作製および応用に関する講義と実習。
講義
- 植物の階層構造とセルロースミクロフィブリルの構造
- セルロースミクロフィブリル構造の利用:バクテリアセルロース、叩解パルプからミクロフィブリル化セルロース、ナノセルロースへ
- ナノセルロース類の特徴と日本国内と世界の動向
- ナノセルロース類利用における優位性と課題
実習
- 製紙用パルプのTEMPO酸化反応とCNF製造
- TEMPO酸化CNFの特性解析とフィルムの調製
(2) CNFの製造技術、特性評価技術講座
(担当:産業技術総合研究所中国センター 10日間)
機械処理法によるCNF製造、CNF評価方法の講義と実習。CNF複合材料の製造と評価方法の講義と実習。
講義
- CNF製造メカニズム、機械的解繊装置の種類と特徴
- 評価手法[高分解能走査型電子顕微鏡観察、比表面積測定、X線回折測定]
- 樹脂・ゴム複合化方法、および、分散性や物性評価方法の種類と特徴
実習
- 機械処理(グラインダー法,高圧ホモジナイザー法)によるCNF製造
- CNFのナノ形状の観察、比表面積や結晶性等の測定
- CNF樹脂複合化、プレス・射出成形と、分散性評価や強度測定
- CNFゴム複合化・加硫成形と、分散性評価や強度測定
(3) 京都プロセス方式によるリグノCNFナノ解繊/樹脂混練同時プロセス技術講座(担当:京都大学、京都市産業技術研究所 7日間)
京都プロセスの主要プロセスである、パルプ化処理、変性パルプ作製、変性パルプのナノ解繊・樹脂混練同時プロセス、およびリグノCNF複合材料の物性評価に関する講義と実習
講義
- 京都プロセスに適した原料、パルプ製造法
- 京都プロセスに適したパルプの変性と変性パルプの特性
- パルプ直接混練法によるCNF強化樹脂材料の製造、成形と構造解析
実習
- 蒸解装置を用いたパルプ製造法、パルプの化学分析
- パルプの変性方法、IRによる変性度の評価、熱重量分析(TGA)による耐熱性評価
- 押出機を用いたCNF強化樹脂材料の製造と成形
- CNF強化樹脂材料の構造解析と、強度試験や熱分析による物性評価
(4) 受講者参加の合同ワークショップ[人材交流、技術交流]
(京都大学にて開催 1日間)
合同ワークショップでは、企業によるCNF関連製品の紹介、大学等公的機関の研究者の成果・技術紹介、また、受講者による講座全体の振り返りや所属企業においての今後の展開についての意見交換等を行う。
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講師紹介
磯貝 明 (東京大学大学院 農学生命科学研究科)
プロフィール
東京大学大学院農学生命科学研究科特別教授。東京大学助手,同助教授,同教授を経て2020年より現職。TEMPO酸化触媒を用いたセルロースナノファイバー製造技術の開発によりMarcus Wallenberg賞,米国化学会Anselme Payen賞,本田賞,藤原賞,日本学士院賞などを受賞。紙パルプ技術協会理事,フィンランド技術研究センター特別諮問委員。2020年よりナノセルロースジャパン副会長。農学博士
矢野 浩之(京都大学生存圏研究所)
プロフィール
京都大学生存圏研究所教授。京都府立大学林学科助手,同講師,京都大学木質科学研究所助教授を経て2004年より現職。セルロースナノファイバー材料の開発によりセルロース学会林治助賞,日本木材学会賞を,パルプ直接混練法“京都プロセス”の開発により本田賞,TAPPIナノテクノロジー部門賞をそれぞれ受賞。磯貝教授と連携してナノセルロースフォーラムの設立初代会長として,運営に貢献。農学博士
仙波 健 (京都市産業技術研究所)
プロフィール
京都市産業技術研究所・産業支援グループ・ユニットリーダー。1998年京都市工業試験場に入庁。京都市域の企業を中心に複合材料,成形加工技術,樹脂製品,リサイクル,自動車材料などの研究開発に携わっている。2005年頃より矢野教授の指導を受けCNF/プラスチック複合材料の開発を開始し現在に至る。2007年京都工芸繊維大学にてポリマーブレンドの研究で博士(学術)
榊原 圭太(産業技術総合研究所 中国センター)
プロフィール
産業技術総合研究所・機能化学研究部門・セルロース材料グループ・研究グループ長。JSPS特別研究員、オーストリアBOKU大学、物質・材料研究機構博士研究員を経て、2011年京都大学化学研究所助教、2020年産業技術総合研究所主任研究員、2022年11月より現職。専門はセルロース化学、木材化学、高分子材料設計化学。繊維学会奨励賞、セルロース学会奨励賞などを受賞。博士(農学)。
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産総研での講座風景が年度ごとにご覧いただけます。
2022年度後期 産総研での講座風景
2022年度後期 産総研での講座風景
産総研での実習は、全機関現地実習となりました。
講義風景
講義は、大会議室を使って行いました。
実習風景
実習は、1グループの受講生人数を5名程度にいたしました。
来所いただいた受講生全員が装置やサンプルに触れていただけるように複数の実習内容を並行して行いました。
2022年度前期 産総研での講座風景
2022年度前期 産総研での講座風景
産総研での実習は、全機関現地実習となりました。
ミニワークショップ
ミニワークショップでは、外部講師(2名)にご講演いただきました。さらに本講座参加者皆様に「会社紹介・本講座の受講目的・CNFに対する思い」などをご発表いただきました。
講義風景
講義は蜜を避けるため、大会議室を使って行いました。
実習風景
実習は、1グループの受講生人数を5名以下にいたしました。
来所いただいた受講生全員が装置やサンプルに触れていただけるように複数の実習内容を並行して行いました。
2021年度後期 産総研での講座風景
2021年度後期 産総研での講座風景
産総研での実習は、第1週目のみ現地実習とリモートを併用し講座を開催しました。それ以外の期間は、リモートによる実習となりました。
実習風景
実習も蜜を避けるため、受講生の人数を3名以下にいたしました。
来所いただいた受講生全員が装置やサンプルに触れていただけるように複数の実習内容を並行して行いました。
東京大学・磯貝先生にリモートでご参加、ご協力いただき、TEMPO酸化の実習も行いました。
2020年度前期 産総研での講座風景
2020年度前期 産総研での講座風景
産総研での実習は、現地実習とリモート実習を併用して行いました。
ミニワークショップ
ミニワークショップでは、外部講師(2名)にご講演いただきました。さらに本講座参加者皆様に「会社紹介・本講座の受講目的・CNFに対する思い」などをご発表いただきました。
講義風景
講義は蜜を避けるため、大会議室を使って行いました。
実習風景
実習も蜜を避けるため、受講生の人数を3名以下にいたしました。
来所いただいた受講生全員が装置やサンプルに触れていただけるように複数の実習内容を並行して行いました。
実習中控室
控室にはモニターを用意し、他の受講生の実習を見学できるように致しました。実習の順番を待つ間に、「予習や復習が出来る」と好評でした。
また、受講生同士が意見交換などの交流を深めることも出来ました。
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