宮崎公立大学地域連携・防災研究センターの山下裕亮 准教授(前、京都大学防災研究所宮崎観測所・助教)と産業技術総合研究所の伊尾木圭衣 主任研究員は、江戸時代の有名な儒学者である安井息軒の一族の家系図(日下姓安井系図)中に記された1662年日向灘地震に関する記述と、過去100年における日向灘の地震活動の特徴などを踏まえ、1662年日向灘地震の新たな地震像を提案しました。日下姓安井系図の記述からは、1662 年日向灘地震は前震活動を伴った可能性を読み取れます。当時、前震の発生で津波を恐れた多くの住民が避難したことが、結果的に住民が事前避難を行った形となり、本震の際の大津波による死亡者数を減少させたのではないかと研究グループは考察しました。日下姓安井系図は、まだ謎が多い1662 年日向灘地震の今後の研究に資するものです。宮崎県民にゆかりの深い安井家の地震の記述が今後多くの方の目にとまることで、一般向けの地震・津波防災に関する啓発にも大きな役割を果たすと期待されます。
本研究の成果は、2025年9月10日に日本地震学会の学術誌「地震 第2輯」に掲載されました。
詳細は以下をご覧ください。
https://www.miyazaki-mu.ac.jp/topics/researchactivities/2025/10/1662.html