発表・掲載日:2005/12/06

バイオマス利用によるCO2削減に向けてアジアの力、結集へ

-バイオマス・アジア・ワークショップをタイで開催 アジアの政策担当者と研究者が一堂に会し、戦略構築-

ポイント

  • バイオマス・アジア・ワークショップ(第2回)を2005年12月13-15日、タイ・バンコクにて開催
  • 地球温暖化防止に向け、アジアがバイオマスエネルギーの世界拠点になるべく本格的な活動を開始

概要

 独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 吉川 弘之】(以下「産総研」という)は、アジアに豊富に賦存するバイオマス資源(地球上の4割以上)の有効利用について、アジア諸国との連携さらには国内での農工連携・産学官連携を推進することにより、持続可能なバイオマス資源の把握、必要となるバイオマス転換技術、そのための研究開発戦略などの検討を進めている。

 このたび、農工連携の研究組織であるバイオマス・アジア リサーチ・コンソーシアム(産総研が事務局)と農林水産省大臣官房環境政策課「バイオマス・ニッポン総合戦略推進会議」事務局はタイと共催して、第2回バイオマス・アジア・ワークショップ(12/13-15)をタイで開催することとなった。

 ワークショップではアジアの政策担当者と研究者が一堂に会し、政策面および技術面での交流、意見交換等を通して、バイオマス利活用による、(1)地球温暖化防止対策、(2)持続可能な循環型社会の形成、(3)新たなエネルギーや製品への転換技術に関わる環境調和型産業の育成、(4)農林漁業、農村漁村の活性化の実現に向けて、バイオマス利活用に関する政策および研究開発の方向性について議論する。

第2回バイオマス・アジア・ワークショップ概要図

背景と展望

 これまでの化石資源に依存した大量生産、大量消費、大量廃棄の社会システムは、地球温暖化、廃棄物、有害物質等の様々な環境問題を深刻化させている。このような中、再生可能な生物由来の有機物資源であるバイオマス利用の重要性がクローズアップされている。アジア諸国の多くは、その気候条件等から豊富なバイオマス資源に恵まれている一方で、今後の経済成長や人口増加等に伴うエネルギー消費量の増加、温室効果ガス排出量の増加が危惧されている。このような状況の下、「バイオマス・ニッポン総合戦略」においても指摘されているように、アジア地域も含めたよりグローバルな視点に立った取り組みが急務となっている。

 昨年度、上記バイオマス・アジア リサーチ・コンソーシアムは農林水産省大臣官房「バイオマス・ニッポン総合戦略推進会議」事務局と共催して、バイオマス利活用に関わるアジア諸国の行政・研究関係者と我が国の産学官関係者による『バイオマス・アジア・ワークショップ 2005』)を日本で開催した。この結果、アジア諸国のバイオマス利活用の現状が明らかになり、各国関係機関とネットワークを構築することができた。

 今年度は、昨年度の成果に基づき、バイオマス利活用に関する政策および研究開発の方向性について議論する。産総研は、バイオマス有効利用によるCO2削減に向けてアジアの力を結集することを目指すとともに、持続可能な循環型社会の構築、ポスト石油時代の環境調和型産業の育成、農業・漁業の活性化に向けて、中長期的戦略を展開する。また、研究開発では、時系列的に必要となる技術開発課題のロードマップを作成し、我が国及びアジアの技術移転・知的財産戦略、国際標準化戦略等の構築を図る。

事業の概要

Biomass-Asia Workshophttp://unit.aist.go.jp/internat/biomassws/)を参照





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