独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 吉川 弘之】(以下「産総研」という)情報処理研究部門【部門長 大蒔 和仁】は、日本電気株式会社【代表取締役社長 西垣 浩司】(以下「NEC」という)との共同研究により改良した『GLOBUS( ソフトウェア )』を用いて、世界で初めて高速ネットワークを経由して、スーパーコンピュータを稼働することに成功した。
今回の成果は、通信・放送機構 つくば情報通信研究開発支援センター【センター長 古賀 達蔵】(以下「ギガビットラボ」という)のスーパーコンピュータと、産総研のコンピュータを、高速ネットワークである『つくばWAN』に接続し、ギガビットラボのスーパーコンピュータを、産総研のコンピュータから稼働させることにより達成した。
次世代インターネット技術として、ネットワークに接続された様々な情報資源(コンピュータ、データベース、実験装置、個人携帯端末等)を誰でも、どこからでも、いつでも自由自在に利用するための技術は『グリッド』と呼ばれ世界中で活発な研究開発が行われているが、今回の成功は、スーパーコンピュータがグリッドの構成要素となり、自在に利用できるための課題を克服したことに意義がある。
今後は、つくばWANに接続される予定の他のスーパーコンピュ-タや、世界中のネットワークに接続された情報資源との相互接続を行う予定。
スーパーコンピュータは、これまでGLOBUSが対象としていたワークステーションやパソコンとは異なるオペレーティングシステム(OS)を搭載しているため、ソフトウェアを単に移し替えることができませんでした。この差異を解消するためには、スーパーコンピュータの基本ソフトウェアであるグリッドに関する深い理解と、オペレーティングシステムに関する深い理解が必要であり、産総研とNECが役割を分担することで、ひとつひとつ移植に関して問題点を解決してきました。