「キング・ファイサル国際賞」は、「アラブのノーベル賞」とも称され、1979年にキング・ファイサル財団により創設された国際的な賞です。医学や科学などの5分野において顕著な功績をあげた個人または団体に授与され、日本人の受賞は飯島名誉フェローで6人目となります。
飯島名誉フェローは、電子顕微鏡を用いてカーボンナノチューブを先駆的に発見し、この革新的な成果により、「カーボンナノチューブ」というまったく新しい一次元炭素材料の研究分野を確立しました。この発見は、固体物理学や材料科学といった基礎研究に強いインパクトを与えるとともに、ナノテクノロジーの発展にも大きく貢献しています。
さらに、同名誉フェローの研究は、エレクトロニクス、エネルギー貯蔵、バイオ医療など、幅広い分野における実用的応用の可能性を切り拓き、科学的発見の枠を越えて応用研究の未来にも大きな影響を与えています。
こうした基礎から応用に至るまでの先駆的な業績が高く評価され、今回の受賞につながりました。