産業技術総合研究所の辻井 潤一 名誉フェローが令和6年度の文化功労者に選出されました。
言葉を人間のように理解して応答できる人工システムは、長い間、人工知能の究極の目標とされてきました。私が、この分野での研究を始めた50年前は、まだ夢の段階、基礎研究の段階で随分と苦労しました。その後、より現実的で、エンジニアリングに近い機械翻訳の研究に従事しましたが、当初の性能は、現在のそれと比較すると隔世の感があります。50年の研究者・技術者の努力がもたらすものの大きさに感動するとともに、その歴史に少しでも貢献できたことを誇りに思い、それを認めてもらったことに感謝しています。
10年ほど前から、産総研・人工知能研究センターの研究者が人工知能というより広い分野の研究に従事し、技術を進化させていくのを印象深く見てきました。次の10年、20年にどのような世界が開けるのか、期待に胸を膨らませています。