産総研 - ニュース 受賞

2024/10/09

令和6年度産業標準化事業表彰を受賞

令和6年10月7日に経済産業省より本年度産業標準化事業表彰の受賞者が発表され、「産業標準化事業表彰(経済産業大臣表彰)」を渡邊 創(情報・人間工学領域 サイバーフィジカルセキュリティ研究センター 副研究センター長)が受賞しました。

また、「産業標準化貢献者表彰(イノベーション・環境局長表彰)」を丹羽 一樹(計量標準総合センター 物理計測標準研究部門 量子計測基盤研究グループ 研究グループ長)、服部 浩一郎(企画本部 知財・標準化推進部 部長)、水野 耕平(計量標準総合センター 計量標準普及センター 計量研修センター 研究主査)の3名が受賞しました。

経済産業省が主催する表彰式が、令和6年10月8日に東京都千代田区の都市センターホテルにて行われました。

受賞者の写真

受賞者写真
(左から丹羽 一樹、渡邊 創、服部 浩一郎、水野 耕平)


 

産業標準化事業表彰(経済産業大臣表彰)

受賞者

渡邊 創(情報・人間工学領域 サイバーフィジカルセキュリティ研究センター 副研究センター長)

主な功績

ISO/IEC JTC1(情報技術)/SC 27(情報セキュリティ、サイバーセキュリティ及びプライバシー保護)の国内委員長を10年以上務め、クラウド情報セキュリティ管理基準等、国のガイドラインを国際提案し規格にその内容を反映させセキュアな製品やサービスの国内外での採用を促進する等、本分野の国際標準化活動に貢献。IoT向け軽量暗号等では国産技術の規格への採用を主導し、これら技術の国際競争力強化に貢献。他TC、SCと関連する規格の標準化では、関連国内委員会との議論の調整、国内意見の集約を行い国際規格に意見を反映。日本規格協会 情報分野産業標準作成委員会委員長としてJIS制定19件、改正23件に貢献。

 

産業標準化貢献者表彰(イノベーション・環境局長表彰)

受賞者

丹羽 一樹(計量標準総合センター 物理計測標準研究部門 量子計測基盤研究グループ 研究グループ長)

主な功績

医療、食品、農業など広範な産業で利用される「バイオ分析装置」では、装置の内部で測定されている発光、蛍光などの微弱光測定の評価に使用可能な標準光源の校正方法を世界にさきがけて確立。ISO/TC 276(バイオテクノロジー) WG 3(分析方法) においてその技術的優位性が認められ、バイオ分析における標準光源の活用について規定したISO 24421の提案、制定を先導。同規格により、分析現場や製造現場における評価・管理業務の適正化が初めて可能になり、我が国が優位性を持つ再生医療などの進展・加速に貢献。

 
受賞者

服部 浩一郎(企画本部 知財・標準化推進部 部長)

主な功績

15年以上にわたりISO/TC 164(金属の機械試験)/SC 3(硬さ試験)/WG 4 のエキスパートとしてISO 14577シリーズの規格開発に参画、日本の国際競争力向上に資する材料試験法の標準化を行う。2016年からISO/TC 164/SC 3の日本代表として、ブリネル硬さ、ビッカース硬さ及びロックウェル硬さ等、産業界で一般的に用いられる硬さ試験の国際標準化において、国内産業界の意見を集約、日本産業界の実情を踏まえた国際規格の開発に尽力。関連するJIS原案作成委員会委員、委員長等を歴任し10件のJISの開発にも貢献。材料試験分野の標準化活動に尽力した功績大。

 
受賞者

水野 耕平(計量標準総合センター 計量標準普及センター 計量研修センター 研究主査)

主な功績

ISO/TC 229(ナノテクノロジー)及びTC 24(粒子特定評価及びふるい/粒子特性評価)/SC 4(粒子特性評価)に参画、測定規格開発、国内対応規格への迅速な反映、用語規格の業界間での調整などを通じてナノ材料・粉体工業の産業標準化に大きく貢献。またナノ物質の安全性や機能試験の信頼性向上のためTS 16195 (ナノ物質の試験物質開発のための仕様)を新規提案、自らプロジェクトリーダーを務め規格開発を主導。同時に同規格に準拠した試験物質3種を開発(経産省H21年度国際標準共同研究開発事業)、国内製造企業を中心として海外も含め現在までに200本を頒布、民間のナノ材料開発や信頼性向上に役立てる。