産総研 - ニュース 受賞

2021/10/20

令和3年度産業標準化事業表彰を受賞

令和3年10月19日に経済産業省より本年度産業標準化事業表彰の受賞者が発表され、「産業標準化事業表彰(経済産業大臣表彰)」を藤間一郎(計量標準総合センター 物理計測標準研究部門 名誉リサーチャー)および国岡正雄(イノベーション推進本部 標準化推進センター 標準化オフィサー)が受賞しました。

また、「国際標準化貢献者表彰(産業技術環境局長表彰)」を渡邊洋(情報・人間工学領域 人間情報インタラクション研究部門 主任研究員)、山本和弘(計量標準総合センター 物質計測標準研究部門 総括研究主幹)、河合和哉(イノベーション推進本部 標準化推進センター 招聘研究員)および日置昭治(同)が受賞しました。

併せて、国際電気標準会議(IEC)によるIEC1906賞を先崎純寿(エネルギー・環境領域 先進パワーエレクトロニクス研究センター 上級主任研究員)、伊藤日出男(情報・人間工学領域 人間情報インタラクション研究部門 名誉リサーチャー)、関山守(情報・人間工学領域 人間拡張研究センター 主任研究員)および飴谷充隆(計量標準総合センター 計量標準普及センター 主幹)が受賞しました。

経済産業省が主催する表彰式が、令和3年10月20日に東京都千代田区の都市センターホテルにて行われました。

受賞者の写真

受賞者写真
(左から日置昭治、国岡正雄、山本和弘、渡邊洋)


 

産業標準化事業表彰(経済産業大臣表彰)

受賞者

藤間 一郎(計量標準総合センター 物理計測標準研究部門 名誉リサーチャー)

主な功績

JIS Q 17025(試験所及び校正機関に対する要求事項)、JIS Q 19011(マネジメントシステム監査のための指針)など4つのJIS原案作成委員会委員長を歴任し、WG主査就任期間を含め通算4年にわたり内外の意見調整、円滑迅速なJIS化に貢献。大改訂されたJIS Q 17025:2018解説本の主筆も務め、改正後わずか 4 か月後に発行された解説本は多くの機関で活用。また、アジア太平洋計量計画事務局長時には太平洋地域の計量標準向上に貢献。規格作成、普及啓発、国際協力、適合性評価活動にまでおよぶ功績は顕著。

 
受賞者

国岡 正雄(イノベーション推進本部 標準化推進センター 標準化オフィサー)

主な功績

ISO/TC61(プラスチック)/SC14(環境側面)においてプラスチックの生分解度等の規格開発に長年にわたり尽力、環境負荷の低い製品の開発・普及に資する国際規格を多数成立させた功績は大。さらに、世界規模の課題である海洋流出プラスチックゴミ問題への取組としてプラスチックの海洋生分解評価法の開発とその標準化を精力的に牽引。また、産業技術総合研究所の標準化案件の戦略策定、標準化の相談・支援を行う標準化オフィサーの立場では所内外から寄せられる政策・産業ニーズの標準化戦略の立案支援を行うなど新たな技術の社会実装や社会環境整備に多大な貢献。

 

国際標準化貢献者表彰(産業技術環境局長表彰)

受賞者

渡邊 洋(情報・人間工学領域 人間情報インタラクション研究部門 主任研究員)

主な功績

2006年からISO/TC159(人間工学)/SC4(人間とシステムのインタラクション)/WG12(映像の生体安全性)のセクレタリを務め、安全で快適な映像利用環境の整備を行い、映像産業の発展に貢献。2018 年からは新たな動的情報提示技術であるダイナミック・サインの人間工学的要件の標準化を行うISO/TC159/SC5(物理的環境の人間工学)/WG7(物理環境におけるダイナミック・サイン)を創設し、コンビーナ、プロジェクトリーダーとして国際標準化を主導。市場の健全な発展と国益の保全に貢献。

 
受賞者

山本 和弘(計量標準総合センター 物質計測標準研究部門 総括研究主幹)

主な功績

2012 年より ISO/TC229(ナノテクノロジー)/JWG2(計量計測)のエキスパート及びプロジェクトリーダーを務め、多数の規格の策定に貢献。ISO 21363(透過型電子顕微鏡による粒子サイズと形状分布の測定)では開発を主導し、また OECDテストガイドライン TG110(粒子径分布/繊維の長さと直径の分布の測定のナノ材料への適用)の改訂作業グループ(リード国:ドイツ)にメンバーとして参加し、当該規格の引用を進めている。当該規格はナノ材料を正確に捉え、安全な社会を実現する規制に活用される見込みであり、市場規模が 2.5 兆円であるナノ材料の普及を支える。さらにナノテクノロジー標準化国内審議委員会計量・計測分科会副主査として活動し、国内普及にも大きく貢献。

 
受賞者

河合 和哉(イノベーション推進本部 標準化推進センター 招聘研究員)

主な功績

ISO/IEC JTC1(情報技術)国内委員会副委員長及びJTC1/SC41(インターネット・オブ・シングスとデジタルツイン)国内委員会委員長として委員会運営と成長著しい IoT市場での規格開発を推進。この間、4 件の日本提案の規格開発を推進し、2020 年Society5.0を支える重要な基盤要素であるIoTにおけるデータ通信の効率化を実現するISO/IEC 30161-1(様々な IoTサービスのためのIoTデータ交換プラットフォーム)の発行に貢献。各国代表と調整し、JTC1/SC41での新規規格の提案にあたりISOやIECの関連TC/SCとの連携を図るSectorial Liaison Groupの設置を提案し円滑な委員会運営に貢献。

 
受賞者

日置 昭治(イノベーション推進本部 標準化推進センター 招聘研究員)

主な功績

ISO/TC206(ファインセラミックス)/WG3(化学分析)において、2012年のWG新設以来コンビーナとして長年にわたりファインセラミックスの化学分析分野の国際規格開発を牽引。また、エレクトロニクス産業をはじめ多種産業用途のファインセラミックス製品の品質を左右する原料の化学分析方法について、国内産業界の意向を踏まえつつ韓国を巻き込んで共同提案に持ち込み、そのプロジェクトリーダーとして国際規格発行まで主導し、製品の高品質化の確保を通じて産業界の発展に寄与してきた貢献は大。

 

国際電気標準会議(IEC)1906賞

受賞者

先崎 純寿(エネルギー・環境領域 先進パワーエレクトロニクス研究センター 上級主任研究員)

推薦されたTC等

TC47/WG5(半導体デバイス/半導体デバイスのウェハレベル信頼性)

 
受賞者

伊藤 日出男(情報・人間工学領域 人間情報インタラクション研究部門 名誉リサーチャー)

推薦されたTC等

TC86/JWG9 (w/TC91)(ファイバオプティクス/電子アセンブリの光学機能)

TC86/SC86B/WG4、WG6(ファイバオプティクス/光ファイバ相互接続デバイスと受動部品/テストと測定方法、関連コンポーネントの規格と仕様)

 
受賞者

関山 守(情報・人間工学領域 人間拡張研究センター 主任研究員)

推薦されたTC等

SyC AAL(自立生活支援)

 
受賞者

飴谷 充隆(計量標準総合センター 計量標準普及センター 主幹)

推薦されたTC等

TC103/WG6(無線通信用送受信装置/RoFトランシーバ)