2016/05/26
平成28年度全国発明表彰において産総研が21世紀発明奨励賞および21世紀発明貢献賞を受賞
平成28年度全国発明表彰において、国立研究開発法人産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(以下、「産総研」という)は、21世発明奨励賞および21世紀発明貢献賞を受賞しました。
全国発明表彰は、皇室から毎年御下賜金を拝受し、日本における発明、考案、又は意匠の完成者並びに発明の実施及び奨励に関し、功績のあった方々を顕彰することにより、科学技術の向上及び産業の発展に寄与することを目的として行われています。なお、21世紀発明貢献賞は21世紀発明奨励賞を受賞する発明等が法人におけるものである場合に、当該法人の代表者に贈呈されるものです。
表彰式は6月15日にホテルオークラ東京にて行われました。
21世紀発明奨励賞
「超高効率な単層カーボンナノチューブ合成法の発明」
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畠 賢治 (産総研 材料・化学領域 ナノチューブ実用化研究センター 研究センター長)
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飯島 澄男 (学校法人 名城大学 大学院理工学研究科 終身教授/ 産総研 名誉フェロー)
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湯村 守雄 (産総研 材料・化学領域 ナノチューブ実用化研究センター 首席研究員)
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Futaba Don Norimi (産総研 材料・化学領域 ナノチューブ実用化研究センター CNT合成チーム 研究チーム長)
21世紀発明貢献賞
発明の概要
本発明は、スーパーグロース合成法と命名した単層カーボンナノチューブ(単層CNT)の超高効率合成技術に関するもので、ナノテクノロジーの中核素材として期待される単層CNTの工業材料としての産業界への提供を可能にした発明である。
大量生産に向いた化学気相合成法で単層CNTを合成する際に、極微量の水分を添加すると触媒の活性が向上し、寿命が大幅に延びることを発見した。本法は、従来の様々な合成法に比べ、長さで500倍、成長効率で1000倍以上の改善となる。また、純度99.98%以上と、不純物濃度を従来法の2000分の1以下に低減することに成功した。
スーパーグロース単層CNTの持つ優れた特性は、非常に多岐に渡り、かつ既知の材料を大きく凌駕する場合が多いため、応用範囲もエネルギー、環境、ITと多岐に渡り、素材面から我が国の産業競争力の強化に寄与している。
21世紀発明奨励賞の受賞者と関係者 |
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左から湯村首席研究員、中鉢理事長、畠研究センター長 |
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