産総研 - ニュース 受賞

2016/02/18

共同研究先の株式会社テクニカルが平成27年度「新機械振興賞中小企業庁長官賞」を受賞

 産総研工学計測標準研究部門との共同研究の成果により、株式会社テクニカルが、平成27年度「新機械振興賞中小企業庁長官賞」を受賞しました。新機械振興賞はわが国機械工業における技術開発の一層の促進を図るため、優秀な研究開発およびその成果の実用化によって、機械工業技術の進歩・発展に著しく寄与したと認められる企業・大学・研究機関および研究開発担当者を表彰することにより、わが国機械工業の振興に資することを目的としています。

 今回の受賞理由は下記のとおりです。
 近年急速にニーズの高まっている高精度光学部品製造の基準となる超高精度なガラス基板の開発に取り組み、Φ100㎜、90%の範囲でλ/100(凹凸の差が6.3nm以下)の面精度を持つ基準ガラス基板を実現しました。ナノメートルオーダーで修正研磨を行う特殊な研磨方法および、干渉計に組み込むための枠の材料や研磨したガラス基板を枠に保持する方法などを工夫するとともに、産業技術総合研究所との共同研究によりλ/100の精度評価を行うことで、製造現場で利用できる状態で上記面精度を達成しました。現在、市場で入手できる最高精度の平面度基準原器はλ/40(凹凸の差が15.8nm以下)であり、本開発の平面度基準原器はそれを大幅に上回る精度となります。



表彰式の写真
表彰式に出席した高辻 利之 工学計測標準研究部門長(中央)と
受賞した株式会社テクニカルの山内 一秀 代表取締役社長(右)、技術営業室 新保 誠 氏(左)